それでも太陽は赤く染まる!第18回「歯科検診の焦りと憂鬱!」

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トースターの出来事で姉と口喧嘩で盛り上がりながらもなんとかお互いに機嫌を取りなおしたひとし。出勤の姉と別れ検診の歯医者へと自転車を走らせるのだが、そこには久しぶりでかなり改装された歯医者の建物がひとしに緊張感を与えて・・・。

第18回 「歯科検診の焦りと憂鬱!」

姉の美穂と途中で出くわした彼氏を含めた職場に向かう同僚たちを見守ると、ひとしはすばやく自転車にまたがると美穂とは反対の歯医者のある細道に向かって走って行った。
左右にビニールの桜が飾られたさびれた商店街をぬけるとすぐ横に中野歯科と真新しく黒い太字で書かれた看板が見える。
ひとし、「看板塗り替えたかな!(◎_◎;)」と自転車を降りて止めようとした駐輪所も去年からたった3ヶ月ぐらいでずいぶん広く改装されていた。もちろん二階建ての建物自体もリフレッシュされて見えるせいかどっしりとした風格が漂っていた。お客もまばらでぱっとしない以前の面影はまったく感じられなかった。
ひとしはそわそわと新鮮になった建物を少しの間かたずを飲むように見渡すと、見た目はそのままだけど、きれいになった引き戸をゆっくりと開いて入っていった。
カウンターの受付の場所も丁寧に整頓されて、整えられていた。以前は書類や本が積み上げられていてとてもカウンターとは思えなかった。だけど不快感な緊張の走る室内に広がるような歯医者独特の嫌味な香りはそのままだった。(-_-)

チュイーンとするどい歯を削るようなするどい金属音のなか、引き戸に付けられたやんわりとした鈴の音に反応してかカウンターの奥から1人の助手らしき女性が顔をだした。
黒く長い髪を後ろで結んだ眼鏡の女性。20代後半ぐらいか、姉の美穂よりは年上な風格が際立ってみえた。しかも結構巨乳である。(◎_◎;)

眼鏡の女性、慣れたような対応で・・・。

眼鏡の女性
「おはようございます。初めての方ですか?( ̄〇 ̄)」

あまり歓迎されていないような、少し早口でまゆを曇らすようなしゃべり方にひとしはあせるように緊張して・・・。

ひとし
「あの、定期健診のハガキが久しぶりに来てて、前から通ってる服部ですけど、初めて見たいなものです。だいじょうぶですか?Σ(゚Д゚)」

診察券を出しながらついあせってしまって、上手く日本語が出てこないひとし。

眼鏡の女性、動揺もせずマイペースなたんたんとした口調のまま・・・。

眼鏡の女性
「それだと、たかし先生の時の患者さんですか?今年から息子さんの代に替わって、あちらの先生は予約がないとほとんど外出されていないんですよ。どうしましょうか!( ̄д ̄)」

ひとし、息子さんや新しく雇われた美人?の助手さん(微妙だったけど!)の事は母から聞かされてだいたい知っていたが、「どうしましょうと言われても!(-_-)」つい反応に困ったすえ・・・。

ひとし
「あ、あの。新しい先生で!息子さんにお願いできますか?(◎o◎)」

眼鏡の女性、あまり表情も変わらずに事務的な口調のままで・・・。

眼鏡の女性
「息子の院長先生でよろしいですか?それでは久しぶりという事みたいなのでこちらのアンケートを書きながらあちらの椅子にかけて待っててもらってもいいですか!あと保険証もお願いします。( ̄д ̄)」

てきぱきとボードにはさんだプリントとボールペンをひとしに手渡すと眼鏡の女性はすぐ横の引き出しから患者の書類らしきぎっしりと分厚いファイルを取り出しながら確認をするように・・・。

眼鏡の女性
「それからどの道、こちらに来られる時は予約の電話を入れてからお願いしますね。去年まではどうだったのか知りませんけど、次回からは必ず。今日はたまたま予約の方が少なかったからよかったですけど。定期健診でよろしかったですね。服部さん下のお名前は、( ̄д ̄)」

ひとし、出かけぎりぎりに姉に久しぶりの診察ならもって行くのが常識でしょとさんざん嫌味のように言われた、保険証をため息まじりに出しながら・・・。

ひとし
「ひとしです・・・。(-_-)」

不意に眼鏡の女性の胸のあたりについたネームプレートの感じと読み仮名がちらっと目に入って、ひとしはそのまま待合室のすぐ隣りの奥に並べられた一番手前の椅子に腰かける。

ひとし
「神山、かみやま。神様のいる山から来た人なのかな、天国とか!そのわりに癒し系っぽい雰囲気もないし。どうでもいいけど。(-_-)」

ひとし、くだらない独り言をつぶやくように間食はしますか?等、渡された質問の書かれたアンケート用紙にボールペンを走らせる。

南向きの大きめの窓ガラスのせいか日当たりがよく大きな鉢植えの植物の香りが落ち着きを放ってくれているようだ。
気づかないくらいの音量のクラッシックのようなゆったりとした曲がながれるなか治療室から響き渡るキュイーンと嫌な音を聞きながらふいにかべにある時計の針に目をやると。9時45分ちょうどをさしていた。

ひとし、ちょっとあせったように心の中で・・・。

ひとし
「(いつのまにこんな時間。お姉ちゃんとしゃべって歩いてたのがまずかったかな・・・。習字始まっちゃうよ。)Σ(゚Д゚)」

だがひとしの願いが通じてかちょうどタイミングよく治療室の音がやんで患者さんらしき影が立ちあがった。

ひとし、その様子に急にほっとしたように心のなかで微笑んで・・・。

ひとし
「さすがに今日はついてるかな。昨日はほんとさんざんだったから。何とか制度で治療費いらないのは嬉しいけど。今日はもっと良い事沢山あってくれないと・・・。(-_-)」

少し調子になりかけてると中から「ありがとうございました。」とやわらいだ声の中年らしき女性が出てきた。

中年らしき女性、ひとしとちょうど目があうと軽く笑顔で会釈をしてひとしもつられたように会釈を返した。そのままカウンター方に向かう女性の背中を見守っていると、中から「服部さん、入ってください!」と聞きなれないやさしい男の声がした。
ひとし、すぐに「はい!」とせまる時間を気にするように書道具を手に中へ入って行く。
以前と変わらず左右にふたつ並んだ治療の椅子。以前のたかし先生とは親子とはあまりにつかない丈夫そうな体格をしていたが、眼鏡をかけたほんのりとした空気は不思議と似ていた。30代後半くらいだろうか。

眼鏡の男性、治療器具を準備しながらひとしをみると自然と笑いかけるようなていねいな口調で・・・。

眼鏡の男性
「初めまして、院長の中野です。服部さんは僕の父の時からの患者さんと先ほどお聞きしましたが、今年からほぼ父に変わって様々な治療の方を私が務めさせていただきたいと思います。まあ、どうしても父の方がいいとおっしゃるのであれば可能ですけど、その辺は大丈夫ですかね。(^ω^)」

そう言って軽く笑顔をつくられるとひとしも何も言えなく「はい」と手前の右の椅子の下に書道具のかばんを置いて腰かけながら、つられて返してしまう。
すると、(眼鏡の男性)院長の中野はさっきのかたっ苦しいあいさつとはうってかわって明るい声で・・・。

中野院長
「じゃあ~。定期健診とゆう事なので、ざっとみさせてもらいますね。イス倒しま~す。\(^o^)/」
自動に背もたれが倒れると、さっきの受付にいた眼鏡の女性(神山)がささっと大きな前掛けをつけてくれた。

中野院長
「口開けてくださ~い。\(^o^)/」

まるで子供をあやすような口調でマスクをした眼鏡が光る怖い表情でひとしの口に歯鏡を突っ込んだ。ひとし、言われたまま不思議そうに院長を見ながら口をあけながら・・・。

ひとし
「ああ~~~。(先生、子供いるのかな!)\(-o-)/」

口にあたる薄いゴム手袋の手の生温かい感触があまり心地よいものに感じられなくて、早くしてくださいと祈るような気持ちで、ひとしはまぶしく近づくライトにゆっくりと目を閉じた。口の開いた間の抜けて顔で・・・。

室内に響く、低音のクラシックのゆったりとしたような曲がずっと流れている。

中野院長、曲とは逆の明るい声で・・・。

中野院長
「上から行きまーす。手前の7から、クラウン出血、Cワン真ん中、6番健全歯、Dが真ん中、5番えんしん、4がきんしん、3がクラウン・・・出血。(''ω'')」
ひとしには、まったくわけのわからない専門用語が宙を舞うように読み上げられて行く。ひとしも心の中で、そこは日本語なんだとか、突っ込みを入れて気を紛らわしていた。(-_-)

院長、テンション変えずに・・・。

中野院長
「じゃ下行って~。左奥から、3、3、3、4、3、4、4、3・・・4、5・・・。Dがマイナス!('ω')」

慣れたように、途中で聞き漏らした所も「4番とPがなんですか?( ̄д ̄)」と動揺もせず聞き返してチェックを真横のパネルモニターに記入して行く無表情の神山。
カランと入口の引き戸が開く音が目を閉じているひとしの耳にこだます。あらたな患者が入ってきたようです。

「以上」とようやくチェックが終了すると、見られている間中、いたる歯にとがった針の棒のようなものであてられていたので歯茎がチクチクと違和感がうっとおしかった。

「お口の中ゆすいでくださ~い。\(^o^)/」とイスを起こされて横にある排水にぺっと吐き出すと真っ赤なたん混じりの液体が流れ出た。
一瞬驚くひとしに院長はマイペースなマスクをつけたままの少し渋めの笑顔で・・・。

中野院長
「う~ん、歯茎が全体的にかなり炎症起こしてますね。きちんと歯ブラシしてる?歯石もだいぶ溜まっているからこれからおそうじしますね。('ω')」

ひとし、その言葉にだいぶ気力が抜けたように力なく・・・。

ひとし
「は、はい・・・。(-_-)」
が、ひとしがぐったりと再びイスにもたれかかるとカウンターから神山の声が・・・。

神山
「先生、業者の方が早く来られてしまったみたいですけど、どうされましょう!( ̄〇 ̄)」

院長、なんのためらいもなく・・・。

中野院長
「今行くから待っててもらって!じゃあ後は、あちらの神山が担当するから、痛かったら無理しないで遠慮なく言ってね・・・。(^◇^)」

ひとし、えっ、ととっさ的の反応で・・・。

ひとし
「さっきの受付の人ですか?Σ(゚Д゚)」

院長、悪意の様子もなく・・・。

院長
「そう。ちゃんと歯石除去の資格持ってるから安心して!経験浅いけど彼女の方が潔癖でしっかりと汚れも取ってくれるから大丈夫だからね。ちゃんと歯ブラシの指導も、もらってね。(^ω^)」

笑えないジョークのような無神経で冷っとする言葉を残すようにそのまま院長がカウンターの方に行ってしまうと入れ替わりにマスクを結びながら神山がやってきた。

神山、やはり事務的で笑みもほとんどない眼鏡の奥に映る無表情の目がさらに怖さをそそる。自信たっぷりな口調で・・・。

神山
「それでは、これから歯石の方取って行きたいと思いますので、気分が悪くなったりした時は早めに言ってください。倒します。( ̄д ̄)」

ひとしの言葉も待たずに背もたれを倒してたんたんと作業に取り掛かかろうとする神山。
再び目をぎゅっとつむり、言われるまま口を開けるとまぶしいライトの中、掃除機のような吸い込むバキュームととがった鋭い金属音のする器具が近づいてきた。受付の時には気づかなかったが神山の両耳には赤い半透明の点のような小さなピアスがライトに不気味に反射するのが目にはいった。
そして問答無用でとがった器具がひとしの歯にあたる瞬間、キュイ~ンと耳が変になりそうな金属音が、地味に室内に流れていたクラッシック音を全部かき消してしまった。

ひとし、口を開けてさらにひきつった間抜け顔で心の中でさけぶように・・・。

ひとし
「(いった~い!そこもういいから次にうつってよ!穴が開いちゃいそう。いい~~~っ。)( ノД`)シクシク…\(☆〇☆)/!」

神山、少しも表情を崩さず強めの口調で・・・。

神山
「動かないでください。間違って関係ない所削っても、痛い思いするの自分ですよ!(⊳Д⊲)」

ひとし
「(十分痛いですうう~~~~う。もうやめてえ~~~。)( ノД`)シクシク…\(☆Д☆)/!」

ひとつずつの歯を削るのにかなりの時間をかけられて、響いてくる痛さがたまらなくついそわそわしてしまうひとしの心の願望も虚しくすべてキュイーンとするどい金属音の中へとかき消されて行った。

途中で口をゆすぐ度、物凄い量の血液が排水に流れ出たがもはやひとしには驚きよりもぐったり感の方が強かった。(-_-)やがて糸ようじみたいな感触のもので歯の至る所の隙間に無理やり押し込むようにがしがしと磨かれ、グリーンガムのようなスースーする香りのする液体を歯全体に塗られて新たなドリルのような器具でマッサージされ終わるとモニターの数字の時計がすでに9時56分をまわる所だった。ひとしにとって地獄のように長く感じられた時間がようやくまくを閉じた。

ひとし、(完全に習字に間に合わないなこりゃ~!*1)と深く息を吐きながら力尽きたようにもたれると、神山もどこか不機嫌そうな表情でマスクを外してひとしを軽蔑するような顔で・・・。

神山
「あんまりというか、全然みがけてませんね。朝食べられた小麦粉のような食べかすもそのまま歯に挟まって残ってたみたいですし。どこを磨かれてるんですか、いつも!大出血ですよ!(⊳Д⊲)」

ひとし、歯に響いた痛みの余韻が残りすぎてさらに金属音で頭もふらふらで思考回路も回らずに話す気力もなく心で反抗するように・・・。

ひとし
「(ちゃんとみがいていますよ、寝る前にですけど。(-_-)今日はめずらしく朝もぴか
ぴかにしてきたし。失礼にもほどがあるよ。後、小麦粉はきっとパンです。)」

神山、ひとしの無言の反応に気にせず話し続ける。

神山
「虫歯になりかかっている歯も沢山ありますし。このままですと全体の歯があと10年もつかどうかもわかりませんよ。歯茎もだいぶ赤く腫れて悲鳴あげてるみたいですし、服部さんまだ若いですけど限りなく歯周病が進んでる状態ですよこれは。!\(⊳Д⊲)/」

ひとし、皮肉っぽくも現実っぽい神山の強い口調にドキッとして波に押されるようにあっけに取られて生返事を返すように心が焦りだして。

ひとし
「は、はあ~・・・。(歯茎の悲鳴ってちょっと怖いけど聞いてみたいかも、ていうか僕の歯そんなにやばい状況なの?Σ(゚Д゚))」

神山、ひとしの反応も気にせず眉間にしわを寄せたまま、面倒くさそうに壁側にあった薄いテレビ画面のモニターを引っ張り出してお説教のような口調で・・・。

神山
「口で言ってもあまり分からないようなので、ちょっとモニター出しますけど。!(⊳Д⊲)今検査した歯の、赤い部分が服部さんの虫歯手前まで来ている歯の所の部分です。わかりやすく5段階に分けて赤くて高い数字ほど歯茎の状態が悪いってことを示しています。服部さんの場合赤色の4が多いのではっきり言ってかなりやばい状況ですね。磨き残しも多くて細菌だらけになって出血もかなりひどいので、このままの状態でしっかりと磨かずに放置していると近い将来、ほとんどと言っていいほど歯を全部失う事は間違いないでしょう。( ̄д ̄)」

ひとし、神山の思いやりのない言葉にガーンと身体に衝撃が走ったように、手のひらに汗を握って表情が硬直してしまった。ひんやりしている室内なのに。
神山、ひとしの表情も気にせずマイペースにタンタンとさらに怖がらせるように話しを続ける。

神山
「こちらの画面は服部さんの歯茎の状態とほぼ近いイラストなんですけど、こんな風に歯茎が腫れて歯の隙間から食べかすとかの細菌がどんどん入り込んでしまって歯茎が下がるように痩せてってしまうんですね。( ̄д ̄)そうなるといずれ白い歯も長ーく伸びたように見えてきます。その結果、歯の根っこまで歯茎が下がってしまって歯も支えられなくなって最終的には、歯槽膿漏ってゆうんですけど、こんな風にぐらついて抜けてしまいますね。!(⊳〇⊲)」

唖然としたままリアルにうつされるモニターを眺めてひとしは、冷や汗をかきながら同時に刻々と過ぎる時計の数字に焦りを感じて何とも表せない精神状態となっていた。

ひとし、心の中で格闘するように膝を上げたり下げたり無意味な行動を取りながら・・・。

ひとし
「(歯ブラシだいぶ傷んでたから替えたほうがいいかな、細菌が身体中に回って死んじゃったって人この間テレビでやってたし、怖いなあ~。(>_<)これからはお菓子食べないようにしないと。て、もう10時じゃんか?なんか習字行く気力なくなっちゃったよ。さやかにも何となく会いたくないし、さぼっちゃおっかな。でも習字で書いた紙持って帰らないと行った証拠がなくて母さんにまたしかられるかもしれないし困った・・・。((+_+))」

神山、ひとしの事情など知らずに・・・。

神山
「一度失った歯は永久歯ですと二度と生えて来ないのでそれは自業自得というかしょうがないですね、残念ですけど。( ̄д ̄)今中学生でしたっけ!そうすると30才くらいか、もう少し早いと成人する頃にはほとんどの歯がボロボロになってマシュマロひとつかむ事さえできなくて入れ歯状態になっているかと思われます。( ̄д ̄)脅すつもりないですけど・・・。というか、ちゃんと話し聞いてますか!今すごく大事な話ししてるんですけど・・・。!(#⊳Д⊲)」

ひとしの不審なそわそわに神山はしっかり気づいていたみたいです。

ひとし、反応に焦って裏返った声で・・・。

ひとし
「は・・・はい、だいじょうぶです!?Σ(゚Д゚)(って、何がだいじょうぶなんだか!あっ、だいじょうぶって言ったらなんかトイレ行きたくなっちゃった。(>_<))」

神山、ひとしをまるで不思議な生き物を見るように眉をひそめて・・・。

神山
「何か、用事ですか?その時計5分くらい進んでますよ。!(⊳Д⊲)」

ひとし、焦ったままつい逆らえる雰囲気ではないように感じてしまい・・・。

ひとし
「いえ、特にないです。(>_<)(拷問だよこんなの!( ノД`)シクシク…)」

どさくさに後ろの蛇口の方で手をゆすぎにきた院長がしかられているひとしの様子を微笑ましく不気味に眼鏡を光らせるように見守っていた。
、だいぶ機嫌を損ねたような再び強い口調で・・・。

神山
「聞きたくないんだったら別に帰ってもらってもいいですからね。!(⊳Д⊲)服部さんの場合、まだ中学生で名古屋の医療制度があるので虫歯になっても簡単に治療受けられていつでも治せるからいいとか、軽々しく考えているのかもしれないですけど大間違いですからね!泣くのは自分ですよ!(#⊳Д⊲)」

ひとし、一瞬びくりと固まって言葉に詰まって別の意味で泣きそうになりながら・・・。

ひとし
「そ、そんな事!(確かに医療制度があるからただで出来るってお姉ちゃんにつられて喜んだりしたけど好きで虫歯になりたいとは思わないよ。*2ああ、でもほんの少し虫歯になり放題ってどこかで思っちゃってたかも。うう・・・帰りたい!トイレ行きたい。( ノД`)シクシク…)」

神山、すかさず席を立って後ろの戸棚から歯の模型といくつか種類の歯ブラシのようなものを持ってきて再びひとしの前に戻って、横のイスへ腰かけると両腕を組むように改めて説教じみた力強い口調で・・・。

神山
「話し戻しますけど、虫歯になった歯は、身体の怪我とかと違って塗り薬とかじゃ治らないんですよ。!(⊳Д⊲)削って何かを詰め込むか替わりのものをかぶせることぐらいしか方法がないので、いかにして大切な歯を清潔に一本でも多く残せるか考えて行く事ぐらいしか!(#⊳Д⊲)」

神山、魂が抜けたようにおとなしくなったひとしにマイペースにしゃべりながら、うすい治療用の手袋を外すと丸めるように下のごみ箱に投げ入れる・・・。

神山
「永久歯なら、なおさら死ぬまで使う歯なので服部さん特に虫歯になりかけてる歯が多いので将来自分の歯で物が食べれなくなった時に困ったり泣いたりしても知りませんよという事です私が言いたいのは。( ̄д ̄)私は別に服部さんが泣いたって困らないので、痛くもかゆくもありませんし、それでも服部さんが歯を磨くのが面倒だから入れ歯になったって別に構わないよと言う事であればそれもナイスなアイディアの選択肢のひとつかと思いますけど・・・。嫌ですよね、そんなの!・・・。!(#⊳Д⊲)」

ひとし、完全に魂を言葉のムチで滅多打ちにされたように押されて何も言い返せず、同時にだいぶ尿意が収まりかけてきたのをほっと感じながら小声で・・・。

ひとし
「はい、嫌っス!(-_-)」

10時を大幅に回っても熱血な神山さんのありがたいトークはまだまだ続きそうです。(;´д`)トホホ

*1:+_+

*2:+_+

ほのぼのホームコメディー!(ソアラの瞳は何色ですか!?)6月「いなびかり!」

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ソアラの瞳は何色ですか!?」6月分の4コマです。すっかり投稿が遅くなってしまいました。梅雨に合わせてどんよりとした見えにくい色使いになってしまいましたが、クリックして画像を拡大していただくと多少ですが見やすくなるかなと思います。皆様どうかよろしくお願いいたします。<(_ _)>

すっきりとしない梅雨空の天気。毎日が雨模様続きで直樹やソアラたちの心まですっかりどんよりとたいくつ気味です。


直樹、アパートの窓上につるされたてるてる坊主を眺めながら、雨続きでだいぶ気が滅入っている横のソアラに、ため息まじりで語りかけるように・・・。

直樹
「雨やまないねえ~。せっかく昨日の夜てるてる坊主一緒につくったのに~。」

ソアラ、同感して眉をひそめて・・・。

ソアラ
「なあ~~~。(たいくつ、たいくつ。)」


その時不意を突かれて窓の外の遠くの方でいなびかりが光ってピカ~ドーンと・・・。

ソアラ、「なあ~~~。( ノД`)シクシク…」と響く音に驚き泣きそうに直樹の腕にしがみつく。

直樹、ソアラを優しく、たしなめるように・・・。
直樹
「かみなりだよ。どうやら、お空の神様も機嫌が悪いみたいだね。大きいけど、ずいぶん向こうに落ちたから大丈夫だよ。」


直樹、かみなりを見て急に何かを思い出したように、ふふっと微笑むとソアラに・・・。

直樹
「小さい頃、お母さんに勉強の事でしかられた時にね、頭の悪い子は神様のご褒美でかみなりに打たれれば、かしこくなれますなんて言われたんだ。血が頭にのぼり過ぎた時に考えたジョーダンのつもりかもしれないけど、その時もこんなふうに雨降りでね。今思い出すと笑っちゃうね。よく光る金棒とか持たされそうになったよ・・・。」

ガシャーンと何度もかみなりが光って鳴り続けている中、直樹のそのエピソードを聞いてソアラもだいぶ落ち着きを取り戻したようにほっとして泣き止んだが・・・。


直樹がちょっと目を離していたら横にいたはずのソアラはいつのまにか下の庭で雨に打たれて、なんと金色の金棒らしき棒を手に鳴りひびくかみなりに突き上げはしゃぐように・・・。

ソアラ
「なあ~~~。(ソアラどんだけかしこくなるかなあ~~~。(*^▽^*))」
それを見た直樹はかなり動揺してしまい声にならない叫び声をあげるように・・・。

直樹
ソアラ~~~。死んじゃうよ~~~。戻っといで~~~。Σ(゚Д゚)」

ナレーション&てるてる坊主!
「し、死ぬきかあ~~~。ソアラ~~~、カムバーーーック!Σ(゚Д゚)」


ピカッ、ゴロゴロと大きく鳴り響くかみなりと雨の下で・・・。

梅雨空の続くどんよりした気分の中、久しぶりにハラハラ、ドキドキとさせられた一日でした。

それでも太陽は赤く染まる!第17回「こもれびの姉弟!」

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前回、危機一髪早朝のオーブントースター爆発騒ぎでひやひやさせられた、ひとしたち姉弟。桜の並木道を歩きながら美穂の不満の口調は止まりません。

第17回「こもれびの姉弟!」

早朝のオーブントースターの事件から無事何事もなく家を出る事が出来た、ひとしと美穂。

住宅街の桜並木をひとしは自転車を引きながら徒歩の美穂と一緒に黙々と歩いている様子。また再び姉弟げんかが勃発しているようです。

美穂、イライラの速足で腕時計の針を目で追いながらひとしに吐き捨てるように・・・。

美穂
「ったく、なんで気をつけてちゃんと見とかないのよ!(#⊳Д⊲)あのまま火事にでもなってたらえらい騒ぎだったかもしれないのよ。お父さんにも言われてたんでしょ。言われた事はきちんと自覚もちなさいよ。小学生のガキじゃないんだから!おかげで出るのがぎりぎりになっちゃったでしょ!新入社員も多いのに、遅刻なんてかっこ悪いじゃない。」

嫌味たらしくさらに足速になる美穂、時計を何度もチラ見しながらひとしに言いたい放題です。(-_-)

美穂
「もう利用者の送迎バスが出てるころだわ。あたしは今日は事務担当だからいいけど・・・。一緒につく子もまだ事務経験がお互い日も浅いし心配なのよ。愚痴っぽいとこあるから本当何言われるか。カンファレンスまでに間に合わなかったらあんたのせいよ!聞いてるの!(#⊳Д⊲)」

ひとし、何かを考え事をしていたのか、少しびくびくした慌てたような表情で美穂に言い訳するように・・・。

ひとし
「う、うるさいなあ、ちょっと黙っててよ!こっちはまださっきのオーブンのトラウマが残ってるんだよ。心臓バクバクしてるし!なんせ僕の目の前で爆発したんだから!死ぬかと思ったよ・・・本当。\(◎o◎)/!」

美穂、冷ややかな視線をひとしに向けるように・・・。

美穂
「何よ!自業自得でしょそんなの!あんたがしっかり気配りしてれば防げた事なんだし、それにそんなしょうもない事故、世の中から見れば日常茶飯事なんだろうし、いちいちかんしょうに浸ってたらきりがないわ!時間は待ってはくれないんだから!」

ひとし、少しムッとして・・・。

ひとし
「なんだよ、さっきは一緒になってびびってたくせに!\(`〇´)/料理される前のにわとりみたいな雄叫びあげちゃってさ。本当。調子いいんだから。それよりもあのまま台所掃除もしないで出てきちゃって、また母さんに帰ったら何言われるか。床中真っ黒けだったじゃん。おまけに母さんのぶんの食パンまで焼かずにさらえちゃったし・・・。」

美穂、相変わらず不満の表情を崩さずに・・・。

美穂
「仕方ないでしょ!(⊳Д⊲)パンが燃えて全部炭になっちゃったんだから。こっちは遊んでるお母さんと違って仕事があるし、食べなきゃ頭が回らないじゃない。あんたはどの道回らないでしょうけど。気になるんだったらあんたが帰って掃除すれば・・・。」

むすっと何も言い返せないでいるひとしに美穂はさらに続けて・・・。

美穂
「お母さんだったら、どっかに買いだめで溜めたカップ麺があるからだいじょうぶよ!爆音聞いても起きてこない図太い人なんだから、掃除もテレビ見ながらゆっくりすればいいのよ。あたしもカップ麺にしようかと思ったけどさすがにあの状況でお母さん起こすのもやっかいだったし。まあ、しかられるのはどの道、先に帰るあんただからいいけど。あたしは今日も施設行事の花見の打ち合わせとかで遅くなりそうだし。この忙しいのに朝っぱらから迷惑かけたんだからそのぐらいの責任は当然でしょ。( ̄д ̄)」

自分勝手な姉の言い論に心の不満がつい口から飛び出すひとし・・・。

ひとし
「ずっるいな~!\(⊳〇⊲)/もともとは全部お姉ちゃんがもたもた洗面所に立てこもってたのが原因なのに。似合わないパーマなんかかけちゃって、あげくに僕にトイレ我慢出来なきゃ漏らしちゃえなんて無茶苦茶なこと言っといて。」

美穂、開き直って・・・。

美穂
「せっかくあのままオーブンの爆発で漏らしてたら大声で笑ってやったのに、あんたって馬鹿な所で意外としぶといのよね。てゆーかこれはパーマじゃなくてただのヘアースプレーよ。あんたももうちょっと考えて物言わないと学校でいい笑いものよ。まあもうとっくに恥さらしてるけど。( ̄д ̄)」

ひとし、さらにふまんげにイラっとして・・・。

ひとし
「お姉ちゃんてやっぱ、そうとうひねくれてるよね。思いやりも足りないし、彼氏からふられるのもわかるわけだよ。!\(`〇´)/」

美穂、触れられたくない話題をされてかカチンと・・・。

美穂
「うるさいわね!漏らしちゃえなんて冗談に決まってるでしょ!過ぎた事いつまでも根に持ってんじゃないわよ、男のくずが!(#⊳Д⊲)中2になっても魚以外好きになったこともないオタクのあんたが、いっちょ前にませた事いってんじゃないわよ。」

美穂、大声でしゃべりながら急に何か思い出したようにその場に立ち止まると、手提げかばんの中を探り出して・・・ようやく見つけた携帯を手にしてため息を漏らすと独り言のように・・・。

美穂
「やっぱり・・・。あんたとのくだらないおしゃべりのせいで、夕べは携帯の充電すっかり忘れてたわ・・・。しばらく使いすぎで反応悪かったから急いで充電しとこうと思ったのにどうしてくれんのよ、本当信じらんない。いそがなきゃ送れちゃうし、もう。(>__<)/」

美穂、図に乗りすぎるそんなひとしの反省したような反応に満足してか・・・。

美穂
「まあ、今となっちゃどうでもいい戯言のような思い出だけどさ。あんたは今になってもたわけのまんまなわけだし。おかげで免疫ついたってゆうか、あれからくだらない連中にどんなに見下されようがもう痛くもかゆくもないわ。!\(⊳▽⊲)/ていうか、あほ相手に本気になって切れてたあたしが恥ずかしい。」

再び、ムキになるひとし・・・。

ひとし
「なんか馬鹿にしてるでしょ、それ絶対!\(⊳〇⊲)/自分が持病もちだからって棚に上げてひがんじゃってさ。お姉ちゃんだって頭の中、ぜんぜん子供の頃のまんまじゃないか!まるっきり成長してない!」

美穂、もうひとしの嫌味も届かない。いつのまにか開き直ったような明るい表情に変わって・・・。

美穂
「よし、頑張って速足で歩いたおかげでなんとかいつも通りに着けそうだわ。携帯は反応ほとんど死んじゃったみたいだけど。一日くらいなんとかなるでしょ!\(⊳▽⊲)/」

ひとし
「(聞いてない・・・!)(-_-)」

ひとし、調子のいい美穂にあきれてもう何も言わずふてくされて恨めしそうに見つめているといつのまにか美穂がだいぶ気分を取り戻したような笑みに変わって・・・。
美穂
「まあ、なにはともあれあたしにはあたしの生き方があるのよ。(*^_^*)あんたもせっかく昨日やりたい事決意したんだから、頑張ってともだちつくりなさいよね。生涯、友達ひとりいるのといないのとじゃ、やっぱりいた方がいいに決まってるんだから・・・。」

ひとし、少し照れてるのかいじけてるような顔をして・・・。

ひとし
「わかってるよ、そんな事・・・!\(`〇´)/」

美穂
「あたしも高校の時に出来た友達とは忙しくなってお互いにだいぶ離れちゃったけど、あの子なりに一生懸命がんばってるんだろうなって時々思い出したりしてエネルギー貰ったりしてる。(*^^*)だからあたしも全力で今の職場の彼氏にもっと近づけるように頑張らないと。いつどうなっちゃうか分からない持病もちの人生だったらなおさらね・・・。(*^_^*)」

姉の穏やかな笑みにしだいにゆっくりと高ぶっていた興奮と苛立ちがおさまって行くひとし。姉はやはりどこまで行っても自分の姉なのだと何だか不思議な気持ちを感じていた。

沢山の彩られた桜並木のすきまからいつのまにかほのかで暖かい木漏れ日の光りがふいに見上げたひとしと美穂の姉弟の身体をやさしく照らすように包み込んでくれていた。

心地よいそよ風と共にどこかから小鳥の透き通るようなさえずりのねいろが聞こえてくる。

そんな和みの空気に浸っていると、突然美穂が歩行者の見える歩道の方に何か気づいてか裏返ったような声で・・・。

美穂
「う、うそあいつ・・・\(◎Д◎)/!ま~た新入りの女子社員たちとじゃれあってる!\(⊳Д⊲)/」

怒りの生命が燃え上がった姉の視線の先には数名のつるんだ若い男女が楽しそうに地下鉄の外の歩道を歩いている。とはいっても男は1人だけど。

ひとしも姉のただならぬいきどおりにあわてて振り返って・・・。

ひとし
「な、なに?あの人お姉ちゃんの彼氏?\(◎o◎)/!クリスマスの発作で公園でベンチに置き去りにされたって言ってた。」

ひとしの品のない言い方に美穂は反射的にグーのこぶしで頭をこずくと・・・。
ひとし
「ぎゃあ~。(痛い。)\(☆Д☆)/!」

美穂
「じゃあ、あたし行くから!\(⊳〇⊲)/あんたもぼけっとしてないで、早く歯医者に行かないと習字の時間、間に合わないわよ!」

美穂は顔を真っ赤にしながらそう言うと、急いで彼氏やみんなの背中を追いかけていった。ひとしにはあまり見せたことのないような緊張気味な姉の表情に小突かれた頭をさすりながらひとしは姉を見守るように向かう先の男の後ろ姿に再び目をうつす。

ちらりと、話してる彼女たちに振り向く横顔。
茶髪で背が高くて、鼻の下を伸ばしたような頼りなくも、あどけない表情。めがねをかけているせいか少し父の面影ににているような感じがした。

心地よい透き通るような香りの風が桜の木々になびくように、再びひとしの身体を後ろからやさしく抱きしめた。

それでも太陽は赤く染まる!第16回「土曜日の朝!」

f:id:a919255217:20180609101004j:plainイラスト小説「それでも太陽は赤く染まる!」の続きです。今回は第2章開始と言う事でカラーの水彩画の絵の具にチャレンジしてみました。小学生以来、あまり使ってこなかったのでにじんだりと苦戦しましたがなんとか無事塗り終わりました。 ひとし、朝っぱらから寝ぐせ立っています。皆様、今後ともひとし共々よろしくお願いいたします。<(_ _)>

 第16回「土曜日の朝!」

 昨夜遅くに帰宅した姉の職場での恋愛トラブルのいざこざ話しに、つい首を突っ込み巻き込まれて寝不足気味のひとし。(-_-)zzz

職場ついでの姉に早朝にたたき起こされたひとしは不機嫌そうな顔つきです。
学校休みの土曜日は10時からそろばんと同じ学習塾で習字の習い事があるので出来ればそれまではゆっくりと眠っていたいのがひとしの希望なのだが・・・。

そろばんの荒川先生は教員免許や珠算暗算検定、様々な資格も沢山持っていて、そろばん、習字、小中の各教科の学習等幅広く教えていた。
月、水、金はそろばん、土曜はお習字とひとしが習字にも通っている理由はただ、ふたつ以上習えば塾の授業料が割引で安くなるからという母の絹代のせこい考えが大幅にあってどちらかと言えばそろばんも含めて通わされているという感覚がひとしには強かった。

けどそのおかげもあって後輩のさやかとも出会えて仲良くなれたわけでもあるので、今となってはまんざら嫌な事ばかりじゃなかったと後悔はあまりしていないよ様子だ。小5の頃からずっと通い続けてそれなりに他校の生徒とも気さくに話せるようになったひとし。ただ、そろばんの試験は級が上がるたびに何度もすべったりしてそのつど絹代に試験料がもったいないとどやされる事はしょっちゅうで神経をすり減らす出来事は避けたいと落ちた通知は学校のテストと同じように隠してばかりいてごまかしていた。
どのみち最後はしかられるのだが・・・。ひぃ~!(>_<)

窓の外は珍しく雲ひとつない、てっかてかの青空がまぶしいのに、ひとしは訳ありで夜中に平らげた湯豆腐とポン酢の味が口の中で微妙に感覚が残っていて食欲がそんなになかった。

台所ではすでに着替えて朝食を食べ終えていた父親の邦久がコーヒーカップをテーブルにソファーでくつろぎながらテレビをみていた。

邦久、あくびをして台所にやってきたひとしに気づくと・・・。

邦久
「ひとしも食うならついでに焼くぞ!(^ω^)」

ひとしの返事も待たずに、気を利かせた邦久がすかさず袋から姉の分と合わせ食パンを2枚取り出すとまだかすかに熱の残った白い小型式のオーブントースターの中に並べる・・・。

邦久、いつもの穏やかなあどけた口調で・・・。

邦久
「トースター最近調子悪いで、ちゃんと焦がつかさんように見とれよ!チンゆう前に焦げるかもしれんで!\(^o^)/」
そう言い残してひと足早く仕事にさっそうと出かけていった。

父の床屋の職場は最近まで近所の20分くらいで自転車で行ける距離の所にあったのだが、一緒に働いていた相方の店長が近頃突然、燃え尽き症候群といういわゆる現代の流行り病の病気にかかってしまったらしく店を開けて継続して行く事が困難になり仕方なく邦久は店長の知り合いのいるという金山の方にある床屋まで通わなければいかなくなった。

気さくな性格でもあった邦久はひとしと違って接客好きな所もあり顔なじみなって会いに来る常連客も多かったのだが店長である社長がかなりうつ状態の症状も激しかったためどうしても邦久ひとりに任せる事は出来ないから閉めるとかたくなに聞かなかったそうだ。

金山の店舗には駐車場もなく、最初は(;´д`)トホホと電車通勤に慣れてなかった邦久だったが今はだいぶ早起きも慣れて余裕な表情が目立ってきた。

ただ、今の職場では駅近の周辺のせいか客の出入りが激しくて他の何人かの従業員さんと一緒に慌ただしい毎日だと夜ビールを飲んではあか抜けた顔でぼやいている今日この頃。もちろん家族に対して絹代達のように不機嫌な顔でいばらない所はひとしもすごく尊敬している。

ひとしが目をこすりながら洗面所で一生懸命身支度をしている美穂が出てくるのをあくびをしながら待つようにソファーに座り込むと、台所には熱気あふれるオーブントースターのタイマー音とテレビのニュースキャスターのアナウンサーの声だけが静かな部屋に響いていた。

我が家では、ずぼらな母の絹代が朝は寝ていて朝ごはんもほとんど準備することもないのが日っかになっているせいか邦久も姉の美穂も必然とご飯の用意をする手際が良かった。
とは言っても、慌ただしい朝、食パンを焼いて夕べに残ったおかず、なければ、フライパンでウインナーをサラダ油で軽く炒めるていどの朝食なので、決してゴージャスというわけではない。これはたとえ母の絹代が起きていたとしても家事嫌いな事もあり同じような軽食、あるいはそれ以下になってしまうのが目にみえてているのだが・・・。お恥ずかしい。

父の飲みかけのコーヒーカップを眺めながらフウ~ッとソファーにもたれて一息つくひとし。

働き出して好きな人が出来てからか、美穂は急に髪型などの身だしなみに意識をして時間をかけだした。

ひとしがパジャマ姿のままで冷えたのか急にそわそわしだすと、洗面所からようやく顔を洗い流すような水の流れる音が聞こえてきた。トイレと共同になっている住宅上の洗面所の造りのせいもありこうゆう時、待たされる方は本当に嫌だとひとしはいつも度々不満をもらしていた。

すると、ひとしのそんな状況にもかかわらず洗面所からの洗い流す水の音と一緒に美穂の声が・・・。美穂、泡だらけの顔を少しずつ鏡を見ながら水をかけるように・・・。

美穂
「ひとし、あんたそういえば、定期検診のはがきが来てなかったっけ?3月の終わりごろに・・・。\(・o・)/」

ひとし、少し不機嫌なおおきめの声で・・・。

ひとし
「うん?(-_-メ)」

気にせず洗面所の中からマイペースにしゃべり続ける美穂・・・。

美穂
「あんたの行ってる中野歯科ってヤブだけど確か土曜日は午前中だけやっていたでしょ!( ̄д ̄)」

ひとし、さらにトイレが近くなり眉間にしわを寄せ出して・・・。

ひとし
「そうだっけ!(`〇´)」

美穂、タオルで顔を拭くと、次は鏡大を開いて中からパーマを取り出して。

美穂
「せっかく早起きしたんだし、習字の前についでに行って来たら?あそこめずらしく予約とかいらないから気軽に出入りもしやすいでしょ。利用者も年配の人が、平日ちらほら見かけるくらいで少ないし。まあ、ヤブだから仕方ないのかもしれないけど・・・。( ̄д ̄)」

ひとし、ひとし足をガタガタと床をならしてしびれを切らしだしたような少し大きな口調で・・・。

ひとし
「最近はなんか息子さんがあとを継ぎ出して繁盛しだしたってお母さんが言ってたよ。(`〇´)パートの綺麗な女の助手さんもいるって・・・。」

美穂、マイペースをやめずパーマのえきすを指で髪を丁寧にしけらせながら。

美穂
「そうなの?(◎o◎)!だったらなおさら早くみてもらいなさいよ!あんた甘いもん好きだし歯磨きも適当であんま磨けてないじゃん。( ̄д ̄)今は名古屋市の何とか制度っていうのがあるから小中学生は医療費がただなんでしょ!うらやましいわ。障害者手帳とかの援助を受けてるあたしが言うのもなんだけど・・・。」

ひとし、すでに怒りの興奮をため込んで何も言えない様子です・・・。

美穂
「でも、てんかんとかの精神疾患て判定がすごく難しいらしくてさ、なかなか手帳さえももらえなくて苦労してる人、うわさでも病院内でちょくちょく耳にするわ。(-_-)あたしは小さい頃から度々病院に通院して薬とかもらったりして結構恵まれている立場だったけどさ・・・。それでも薬が合わなくて何度もあの世に行かされかけた事もあったりして生きてきたってゆうか・・・。結局なんか国のお荷物って言われてるみたいで正直いい気分はしなかったな、あんまり。まあ、ひとしたちのその医療制度もなにかしらの税金で成り立ってるんだろうからどっちもどっちって感じだけどさ・・・ちょっと!聞いてる?\(゚□゚)/!」

ひとし、ついにトイレの限界がきたのかさけぶようにガンガンと地団駄を踏んで・・・。

ひとし
「うん!聞いてるよちゃんと~!\(`〇´)/どうでもいいからはやくしてよねもう!本当これだから朝お姉ちゃんに起こされるの嫌なんだよ!いっつも人の事考えないでもたもた洗面所の中立てこもってさあ~!あげくに無駄話しまで持ち掛けたりして、たいがいにして欲しいよマジで。膀胱破裂しちゃうじゃんかあ~!\(⊳〇⊲)/」

美穂、ひとしの態度に怒ったように途中やりのパーマで、まるでにわとりのとさかのような頭でドアから顔をのぞかせて・・・。

美穂
「何よ!(⊳Д⊲)怒んなくたっていいでしょ!トイレ行きたいんだったらさっさと勝手に入ればいいじゃないの!たかが、ちびりそうなぐらいでガタガタ大げさにわめいたりなんかして男らしくもない!それに、どうせ着替えのついでなんだし漏らしたってパンツの替えくらい、いくらでもあるでしょうが!(#⊳Д⊲)」

ひとし
「はあ~!\(⊳〇⊲)/なんで僕がお姉ちゃんの犠牲で、そんな恥ずかしい思いしなくちゃならないんだよ~!しょうもない事で手間ひまかけてるだけのくせしてさあ!だれも見たくないよ!そんな自己中でセットした顔や頭なんか!ったく、ちびっちゃえなんて発作持ちのお姉ちゃんと一緒にしな・・・。」

急に何かを思いとどまるかのように表情が変わったひとし・・・。

どうやら姉が、小さい頃発作がひどかった時そのたびに痙攣と一緒におしっこを漏らして周りからからかわれていた事をふいに思い出したようだ。

美穂、またマイペースに戻りパーマがけが終わった髪をくしでとぎながらイライラ顔で洗面所から出てきて・・・。

美穂
「何よ!あたしの発作が何だってのよ!関係ないでしょ今そんな話!(#⊳Д⊲)」

その顔にはこれ以上文句を言ったらしめあげるぞとばかりの鋭い視線をしていた。

変に罪悪感を感じてしまってか、それにこのまま美穂をさらに逆上させてしまうのもらちがあかないとも思ったのか、いずれにしても今はそんなことより爆発すんぜんのこの膀胱の状況をなんとかしたいのが必死だったひとしはまずは自分の身の安全をと、のどまで危うく出しかかっていた続きの「てんかん発作持ちのしょんべんちびり女が」という鬼畜発言的な言葉をぎりぎりで飲み込むように消去した。

ひとし
「もうどうだっていいよ、お姉ちゃん部屋中パーマ臭いよ!(-_-)」

ひとしはなんだか大人になったな~僕も。と、ひとり自己満足で冷静に深呼吸をするとソファーから立ち上がり速足で美穂の出てきた洗面所へと向かっていった。

・・・がその時いきなりイライラ顔だった美穂が突然何かに取り乱したように声が甲高く裏返って・・・

美穂
「ちょ、ちょっと!ひとし~!?\(☆Д☆)/!?」

姉のその異常な反応にとっさにうん?とつられるように無表情で振り向いたひとしは思わずその光景に目の前が真っ白になった。

オーブントースターの中では不気味なタイマー音と共にメラメラと炎に包まれるように燃え上がっている二枚の食パンが熱い熱いと悲鳴を上げていた。

ひとし
「わあ~!?Σ(゚Д゚)」

ひとし、とたんに尿意もモヤモヤの感情もどこかにぶっ飛んだように、目を見開いて急いでタイマーを止めようと走り出した。

が・・・ひとしの行動も虚しく次の瞬間・・・。「ボオーーーン!」とねじが弾けたような低い爆発音と共にトースターの中から熱い熱気の黒けむりがふき出した。

パンの焦げた炭のような独特な香りの塊が一瞬室内を散るように包み込んで、そして消えた。!(゚□゚)(゚〇゚)!

その光景をしばらくまるで魂を抜かれたように呆然と眺めていたひとしたちだったが、やがて「シューーーッ!」と何事もなかったかのようにトースターの湯煙りとほぼ同時に「チーーーン!」と金属系のタイマー音が切れ、部屋中が静まり返って行った。

そしていつのまにかついていたテレビがCМにかわり無音の室内に語りかけるようにわびしい声が響き渡った。

テレビⅭⅯ
「家電製品フェニックスより販売されている小型オーブントースターからの引火爆発による事故がおととい発生いたしました。いつもお買い上げいただいておられる皆様には大変深くお詫び申し上げます。被害が拡大しないうちに早急に商品の回収を心掛けております。お心当たりのあられるお方はただちにご使用を中止して・・・。」

 

それでも太陽は赤く染まる!第15回「姉の宿命!」

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塾さぼりの遅帰りで母親と再び大喧嘩をしたひとし。食欲も失せどっと押し寄せた一日の疲れを癒そうと自分の部屋に逃げるように入り横になった。すぐに意識が遠くなったが、それでも、まだひとしの一日は終わらずに仕事帰りで深夜に帰宅した姉(美穂)に再び起こされて・・・。

第15回「姉の宿命!」

ほとんど、対した食事も取らずに、母に怒鳴られて食欲も失せてしまったひとし。
部屋に入ると1日にたまった疲れがどっと押し寄せ横になるやいなや、すぐに意識が遠くなった。
しばらくの間、死んだように寝息をもらしていたひとしだったが、
不意にお腹の上にぼすっと何かを置かれたような重みにウッと苦しくなって目が覚めてしまう。
暗闇のひとしの部屋に誰かが入ってきたらしく、意識的に起き上がると「ごめん、起こした・・・。」と聞き覚えのある声が・・・。
どうやら遅くに帰ってきた姉の美穂(みほ、19)のようだった。
風呂あがりのシャンプーの暖かい香りの湯気の風がなびいてくる。

ひとしは「うん・・・。(+_+)」と寝ぼけまなこの声で蛍光灯の紐に手を伸ばそうとしたとき・・・。

美穂
「待って、今着替えてるから・・・\(◎Д◎)/!」

美穂がすかさずに蛍光灯の紐を取り上げた。
3LDkの中で一番広いこの8畳の部屋は、実はひとしだけでなく姉との共同部屋だったのだ。

ひとし、目をこすりぼーっとあくびをしながら・・・。

ひとし
「なんか、やけに遅いじゃん。デイサービスって日帰りだから残業はないんでしょう?(ノД`)・゜・。」

姉の美穂は去年の春から老人福祉施設の(デイサービスセンター泉)という所に勤めていた。
生まれてからすぐ風邪で高熱を患った原因で、てんかん持ちになってしまった美穂は時々意識障害の痙攣と悲鳴のような雄叫びの声を上げる事があって、なんとか頑張って私立の高校を出たものの、持病を持つ姉をなかなか受け入れてくれる職場が少なく、ようやく地元の区役所の顔見知りの方の紹介で、まだ完全な職員ではないのだが仮の訳あり職員という条件付きの様子見でパートとして働く事になった。

本当は看護か保育士の道へ進みたいという強い希望があったみたいだけど、発作で迷惑かけるかもしれないからと専門学校へは自ら断念したみたいだ。母と同じように強がりの負けず嫌いな所がある姉は高卒後、一時は精神的に沈んだり寝込んだりしながら月日が流れたりもした事があったが、今、姉がちゃんとこうして職場に問題もなく通ってくれるようになった事が両親やひとしの心を安心させていた。

ようやく寝間着のスカートとセーターに着替えた美穂が蛍光灯の紐をひっぱるとひとしは電気のフラッシュのまぶしさに一瞬目をすぼめる。

美穂、落ち着いた冷静な声で・・・。

美穂
「今日は、新入社員たちの歓迎会よ、若手の専門卒の職員が何名か入ってきたから、あたしもせっかくだから出席しろって、所長がね・・・!(-_-)」

ひとし、少し興味深そうに・・・。

ひとし
「お酒のんだの?まだ19なのに・・・\(◎o◎)/!」

美穂、ひとしのお腹の上にほうり投げた手提げかばんをすかさずつかみ取ると、手前の勉強机の椅子にゆっくりと腰をおろして・・・。

美穂
「ううん。20歳ってごまかして飲もうかともおもったけど、てんかんの薬飲んでるし、まんがいち副作用とか出たらみんなに迷惑かけると思ったからやめた!てか、あんたあたしのソファーの上で勝手に寝ないでよ。いつも寝てる時上に這い上がって来るから、うっとおしくってあたしが蹴落としてるけど・・・!(-_-)」

ひとし、美穂のその言葉にむすっとして・・・。

ひとし
「ひっどいなあ~、僕が寝ぼけて知らないからって・・・。!(`~´)」

美穂、悪気もなくクールな表情のままかばんを床に置いて・・・。

美穂
「最近あんた寝相悪いわよ、ストレスため込んでない!時々うなされたりもしてるから、こっちが寝不足になるわ!( ̄д ̄)」

ひとし
「えっ!僕声出してるの?全然覚えてない。\(◎o◎)/!」

美穂、マイペースに耳までかかる程度のショートのしけった黒髪をくしでとぎながら・・・。

美穂
「たまにね・・・!まっ、あたしはいざとなったら耳栓あるからいいけど・・・!(-_-)」

ひとし、ちょっとむきになって声を荒げて・・・。

ひとし
「ちょっと、そうゆう問題!何か悩んでないとか聞くもんでしょふつう。可愛い弟がうなされてるなら、なおさらさあ~。!\(`〇´)/」

美穂
「ちょっと、大きな声出さないで。何時だと思ってるのよ!(⊳Д⊲)お母さんたちが起きるでしょ!何が、かわいい弟よ。自分で言うな!あんたの悩みなんてだいたい想像がつくわよ!勉強もしないで赤点のテストどこに隠そうか失敗してお母さんに見つかってしかられるわのオンパレードでしょ!バカみたい。そんなの原因は全部あんたにあるわけであたしがどうのこうの言う問題じゃないわ!(`~´)」

部屋の隅にある、掛け時計はいつの間にかコチコチと音を立てすでに深夜の0時をまわっていた。

ひとし、図星をつかれてか、ちょっと開き直って・・・。

ひとし
「冷たいな、お姉ちゃんなんか働きだしてから本当冷たくなった気がする・・・。!\(`〇´)/」

美穂、ひとしの言葉に初めて反抗するように冷ややかな視線を向けて・・・。

美穂
「お気楽なあんたと違って必死だからね、こっちは毎日!( ̄д ̄)デイサービスは日帰りでスケジュールがきっちりと決められてるから、利用者だけでなく家族とのトラブルも多いの。利用者の中には施設の些細な出来事でもストレートに帰ってから家族に報告したりするらしいから・・・。住み込みの生活の特養老人施設より気配りが大変なの。挙句の果てに虫の居所が悪い時には職員同士の衝突も激しくって本当、毎日が戦争よ。あんたも働きだしたらわかるわよ。今あんたがどんなけ小さな事で悩んでるかって・・・。」

ひとし、一瞬言葉を失いそうになったが負け時と言い返す・・・。

ひとし
「うるさいな!いきなり仕事の話しなんかしないでよ!\(`〇´)/そんなんだったら飲み会に行ったって楽しくなんかないじゃないか。愚痴こぼすくらいなら行かなきゃよかったんだよ。」

美穂
「だから大人の付き合いだってば!それに今年の社員は女の子が多かったから話しとしては結構盛り上がったかな。みんな、そんな人見知りもしないよくしゃべる子ばかりだったし、すぐになじめると思う。まあ、女性の世界だから油断は出来ないけどね。所長は人手不足だったから喜んで酔っていたけど・・・。あたしは持病を持ってるし、それにまだパートの身だしね。正直どうなるか不安だわ!(-_-)」

ひとし、たんたんとしゃべり続ける美穂のそんな急な下がり気味なテンションに何かを思い出したように・・・。

ひとし
「彼氏さんとは・・・。しゃべったのあれから!(゜o゜)」

美穂は去年の秋ごろから、同じ施設で働く5才くらい年上の先輩とけっこう話しも合っていい雰囲気のように盛り上がっていたとひとしに聞かされていたけど、クリスマスの時にその彼の前で、しばらく落ち着いていたはずのてんかんの起こってしまって、白目を向いてひどい痙攣を見せられてびっくりして逃げるようにひいてしまったらしい。しかも美穂を寒い夜の公園のベンチに置き去りにして・・・。

美穂はしばらく押し黙って一瞬表情にくもりが走ったように思われたがすぐにいつもの冷静な口調に戻って・・・。

美穂
「その話しはいいわよ。飲み会でもうとっくに新しい社員の子に夢中だったわよ。本当、男ってすぐに開き直りがはやいんだから・・・。嫌になるわまったく・・・。(-_-)」

ひとし、ますます声のトーンが下がり気味になった美穂を同情するように・・・。

ひとし
「なんで~、あやまってきたんでしょう。お姉ちゃんに・・・。その人のせいで危なく肺炎にもなりかかったんだし・・・。風邪こじらせて死にかけたりもしたんじゃないか!めっちゃショックだよそんなの。!\(`〇´)/」

美穂、ひとしに何を言われても表情を崩さずに・・・。

美穂
「いいったら。あたしがてんかんの事をきちんとあいつに伝えていなかったのが悪いんだし、てか言えないわよ普通。気に入った人だったらなおさら・・・。けど、どのみち知られちゃう事だから、早くてよかったわよ。おかげで傷もそんなに深まらずにすんだし。本当、時間をかけるほど深くなるからね、底なし沼みたいに。(-_-)」

ひとしももうこれ以上美穂に何も言わない方がいいと心に思ったのか落ち着かせようと・・・。

ひとし
「もう未練はないって事!いい思い出のアルバムが出来たって・・・!\(・o・)/」

そしてゆっくりと姉を気遣うように静かに背を向けて姉のソファーから降りる事もせず寝転ぶと布団に顔をうずめた。

が、そのとたん、いきなり今まで冷静な表情で話していたと思っていた美穂が急に逆上したような口調に変わり、興奮した赤い顔で机をどんと叩くと・・・。

美穂
「そんなわけないでしょう!(⊳Д⊲)女はいつだって本気なんだから!このままじゃ終わらせないわよ!あたしの恋の本番はこれからよ!あたしはそんな簡単な女じゃないって事、あいつにわからせないと。どうせ別れるにしてもね!なんせ一緒に働いてるわけだし、あげくに新社員なんかといちゃいちゃしている所を毎日見せつけられるなんて耐えられない。こんなんじゃストレスが溜まる一方だわ!あんたもそう思うでしょ。違う?!(#⊳Д⊲)」

姉の美穂が極限に感情が高ぶると何かが弾けたように爆発してしゃべりだす事はひとしは小さい頃から知っていた。でも決して人格の崩壊とかではなく、姉はその事によって暴れたり人に危害を加えたりしないという事もひとしはよく理解をしていた為、あまり動揺する事はなかった・・・。長い姉弟生活、これが姉の純粋な自然の個性であるとわかっていたのだ。

がやはり急な変貌でびっくりさせられたのか布団から顔を出さないまま、ひとしは美穂の感情に必死に合わせるように・・・。

ひとし
てんかん発作の持病もちだしね!宿命だね、お姉ちゃんの!(-_-)」

つい逆なでするような事を口走ってしまった。だがその言葉に美穂も開きなおったように・・・。

美穂
「そうよ、あたしの場合待ってられないのよ。ただでさえ二十歳過ぎたら女はあっという間に底なし沼に沈んで行くってお母さんも言ってるでしょ。こっちからどんどん攻め込まないと損するばかりだわ!(#⊳Д⊲)」

ひとし
「本当、お姉ちゃんはどこのどんな女の人よりも女らしいと思うよ!ていうか興奮してるとお母さんたち起きるよ・・・。(-_-)」

美穂、少し冷静を取り戻したように・・・

美穂
「だからこの際だからひとしも、一緒に何か目標を決めなさいよ。!(⊳▽⊲)勉強してお母さんを見返すとか、もう中2になるんだから、いい加減、お姉ちゃんからひとり立ちしないと。利用者さんの中でも人生振り返って後悔してるって聞かされる人が沢山いるの。そのたびにみじめなあんたを思い浮かべるように重ねて、ため息が漏れる姉の気持ち、馬鹿だけどあんたにもわかるでしょ。」

その言葉に今度はひとしが動揺したように布団から顔をだすと・・・。

ひとし
「結局なんでそこに話しが結びつくんだよ。!関係ないじゃんか僕は!Σ(゚Д゚)てか、なんだかんだ言ってお姉ちゃんまだその彼氏の事すごい根に持ってるじゃないか。さっきから聞いてれば、かっこいい言葉ばっかさんざんアルファベットみたいにごたく並べちゃってくれてさ!こっちはいい迷惑だよ本当・・・。」

美穂、また少し興奮を高めた張り上げた声で・・・。

美穂
「何言ってるのよ!(#⊳Д⊲)このままじゃあんたもこの先ずっとお母さんからけなされっぱなしよ。お母さんだけじゃなくてみんなからも!馬鹿で取りえもない人間に世間は氷みたいに冷たいから!アルファベットのABCみたいな順番に人生は上手くいかないのよ!てか、お姉ちゃんに向かって何なの、その言い方は。反抗期は遊んでるお母さんの前だけにしてちょうだい。こっちはあんたのうなり声と金魚のモーター音のせいで寝不足なのよ・・・。」

美穂はすかさず開けっ放しだった深夜のベランダのカーテンをシャーっとしめた。そして再びひとしに不満をぶつけるように・・・。

美穂
「もう一つおまけに金魚の水ってくさいのよ、日が当たる日中は藻がはらないようにカーテンを閉めろってお母さんたちにも言われてるでしょう!あんたが好きで飼ってるんだからそれくらいちゃんと責任持ちなさいよ!(#⊳Д⊲)」

ひとし、少し冷静さを取り戻して姉の嫌味に皮肉っぽく・・・。

ひとし
「はいはい。ようするに、転んでもただでは起きないタイプだよね、お姉ちゃんは。!(-_-)その彼氏さんを見返す怒りが原動力だってことはよくわかったから。僕はもうアルファベットの最後のZで人生いつ終了してもいい場所にいて満足だからさ、お姉ちゃんはまだまだこれからの仕事と人生、ゆっくり頑張って!てか疲れてるんだからもう寝かせてよ!(ノД`)・゜・。」

美穂、そういって再び布団にもぐろうとしたひとしをいきなりまくり返すように頭をぱちんと強く叩いて・・・。

ひとし
「痛い!Σ(☆Д☆)」

美穂
「意気地なしが、叩かれて当然よ!その年で疲れたなんて言葉簡単に口にするな!(#⊳Д⊲)何が人生の最後でいいよ。そんな事言うなら今すぐそこのベランダから落ちなさいよ!ここは5階だから頭から落ちれば確実に死ねるわよ。脳みそもぐっちゃぐっちゃに飛び散って、もう悩みや不満なんて考える必要もなくなるわきっと!さあどうするのよ、お姉ちゃん手伝うわよ。口だけで死ぬ勇気もないくせに。生意気言うんじゃないの!!(⊳Д⊲)」

美穂の明らかに無責任過ぎる考えの暴言に、びびって言葉を失いこずかれた頭をさするひとし。死ねと言われた言葉に全身が冷や汗と恐怖に硬直しているような表情だ。「・・・。」

美穂
「あんたも何かやらせなきゃ姉として示しがつかないでしょ。!(#⊳Д⊲)あんた男でしょうが。弟でしょ。お姉ちゃんも頑張るんだからあんたも何か挑戦しなさい。!今のままじゃあんたもあたしも一生独りぼっちよ。何か行動を起こさない限り前には進めないのよ、人は・・・。せっかくの人生、ガツンと生きて生きまくりなさいよ!これはあたしの宿命だけじゃなく家族の宿命でもあるんだから・・・。あたしは特に、あんたなんかよりも遥かにでかいハンディー背負ってるんだし。このままじゃ結婚さえできるかさえ怪しいのに・・・。」

また再び姉が感情的になりだしそうなのを察してか、ひとしは身をまもるように慌てた様子で・・・。

ひとし
「わ、わかったよ。Σ(゚Д゚)とりあえず今年は勉強よりも友達を1人でもつくれるように努力するよ・・・。ああ・・本当、世話が焼ける頭のいかれたお姉ちゃんに関わって、振り回された人達はみんなきっと、間違いなく不幸になるよ。(;´д`)トホホ」

その声をまともに聞かれてしまったらしく、再び感情が逆上してしまった美穂に・・・。
美穂
「うるさい!あんたにそんな事言う資格なんかないわ!お気楽なあんたは土曜で明日休みだからいいけど、あたしは仕事があるんだからね!(#⊳Д⊲)さっさとベランダからじゃない・・・。ソファーから落ちて寝ろ!」

興奮した美穂にソファーから下の床へドゲシッと蹴落とされたひとしは、いつのまにか完全に目が覚めてしまい、ほとんど日中何も食べていなかったお腹の虫も同時に目覚めたように「グウ~ッ」と初めて返事をした。

ひとし
「(僕だって明日の朝、(塾)習字があるのに・・・!本当、今日はとんだ厄日な一日だったな!やだやだ!((>_<))」

そして姉が寝静まったこの後、深夜の台所でひとしはたった1人虚しく暗いテーブルの上に置かれたままになっていた冷めた湯豆腐の入った小鍋を・・・静かにポン酢をだしにお椀で平らげた。

端午の節句!

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こんばんは。今日は朝から日差しがあって名古屋は気温が上がりましたがさわやかでひんやりとした風が吹いていて涼しい1日となりました。そして今日は、端午の節句!子供の日ですね。ちまきとかしわ餅が沢山売れてそうです。僕は子供じゃないけど売れ残りで安いのがあればそれでいいや母さんが夜の散歩ついでに買ってくるかもです!♡(*^_^*)

真夏の夜の悪夢!

オリジナル小説「少年の嵐!」の挿絵用に描いたものです。
前回、大介に海に落とされてサメの餌食になりかけたトラウマのせいか、のぶおはその夜、恐ろしい夢の形となってその記憶がよみがえってきました。暗くて不気味にひんやりした海底をひたいと手持ちのライトをたよりに歩いていると身体中藻のようなものをつけた奇妙な人間たちと驚いてしりもちをついたのもつかの間、巨大な青いうみがめのようなネッシーみたいな怪物の顔と目があいそのするどい牙に恐怖で硬直して動けなくなりました。足元の黒い泥底には人の骨のような残骸でいっぱいあふれていました。

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