思春期お絵描きブログ

主に思春期の心情風景をテーマにしたイラストを描いています。辛気臭いものが多いですが、どうか、よろしくお願いいたします。<(_ _)>

不法侵入!15「危険な老人!」

正幸が異臭と老人のそれにしばらく見入っていると、老人は身体や性器をふいていた、大ふきを流し台にもどし暖炉の中に入っていく。 ガサガサと中で物音がしていたがやがて出て行ったのか静かになった。 正幸はじっとりと身体にはりつく汗を身体に感じながら数分たってから我にかえりこのままだとほんとに台所を占領されてしまうと、用心するように、流しに近づき、暖炉の中に何かを詰めてあいつが入ってこれないようにしようと考えた。 水道にガスもあるし、よく考えたらかってに使われて、火事にでもなったら僕責任とれないしね! そう思いながら正幸は暖炉の前にしゃがみ込んで中がどんな状態に荒れてるか確かめるようとした、が…その時中の暗闇で何かがうごめいて起き上がるのが分かった。正幸はわあっ!Σ(゚Д゚)と短い悲鳴を漏らして尻もちをついた。 いないと思っていたあの老人が横になっていたらしい。老人は振り返ると怒った顔でふうとうなるように、小さな草刈りのようなものを正幸に向かって振り上げてきた。 何とか反射的にびっくりしてよけられたものの正幸は相手が小さな老人だというのにその威圧感に押されてしまいしっかり腰を抜かしてしまった。 「すみません、いたなんて知らなくて…!ちょっとほんとにごめんなさい…ごめんなさい!ビクビクΣ(゚Д゚)」と情けなくも訳のわからない事をわめきながら、暖炉の中から強烈な異臭を放つ老人から何とかほふく前進で床をはうように流しから離れた。

不法侵入!14「日暮れのカラス!」

正幸はぐだぐた考えながらも身体が疲れている事もあり最後はしぶしぶ玄関から家の中に入る事にした。朝、家から逃げるように出てきたにも関わらずきちんと鍵をかって出て行った事を今になって冷静に思いだしながらため息をつき鍵を開けて家に入るとあの強烈な異臭が正幸の鼻をつくように襲いかかってきた。 そして蒸し暑く薄暗い部屋の中に台所であのこがらな老人が立ち上がって何かごそごそとしている様子に目が止まり正幸はそのまま動けなくなる。出ていくどころかすっかり居座ってしまっていた。老人は下着を降ろして流しにあった大ふきでぶつぶつ漏らしながら性器をこするようにふいていた。 暗くてよく見にくいと思ったがなんとなくゆれている感じでそれがかなり大きくて正幸は顔が赤くなってしまった。おそらく、家でお風呂の時の父や銭湯にパートのはじめの頃一度一緒にいった店長のよりもはるかに立派だった。 正幸は背後に聞こえるカラスの声に耳をすましながら老人のからだとそれにしばらくみとれていた。

不法侵入!13「半洗脳!?」

その日は結局まる一日停電のままコンビニの食料品は缶詰を含めてほぼ完売してしまい、残りの雑貨用品や週刊誌等は仕入れた本社に返品する事がだいたい決まって3日以内には店を閉める事になりそうだ。蒸し暑い店内の衛生面を考えるとそれがベストかもしれない。もちろん僕も多少の飲料水は確保して買ったけど、すでに電車も完全に再開して通勤していた店長は何も確保することなく、筋肉痛の身体をかばうように笑顔をみせて駅へ歩いて行くのを見送り別れた! そして、自転車を引いて逃げる覚悟で家から飛び出してきたはずの正幸だったがやはり一日のじっとりと絡みつくような暑さに体力を奪われ、最終的にはまた険しい坂道に吸い寄せられるように自宅に向かい登って行った。別の意味で精神がかなりまいってしまっているのか、正幸は店長にも警察にも不審者の事はなぜか喋ろうともしなかった。よっぽど老人の圧力かオーラが強かったのかわからないが…! だから、誰にも相談せず、身体がえらい思いまでして家にたどり着いた時には激しく後悔する事になるのだ! だいぶ日が暮れてきて、長屋の前にくると、正幸は玄関の前に自転車を止めて不審者が入ってきた方の外側にまわってみる!そこには、錆びた金具の棒が折れて暖炉?だと思われる外側の扉が開きかかっていた! おそらく中に汚れがたまらないよう外からも灰が掃けるようにつくられてたのかな!使われていない暖炉だったらしっかりと施錠してくれなきゃ困るよ!と改めてあいつが現実に家の中に入り込んでいた事を理解して、これまでいくつか不審者とすれ違い見てきた様子を頭にフラッシュバックしながら、どうしたらいいのかと、正幸は恐怖しながら疲れてまわっていない頭で再び悩み始めた。そして暖炉の隙間から漏れてくる、あれだけ不快だった独特な不審者の体臭の臭いもそんなに嫌じゃなくなっていたのも事実だった。 正幸「なんか僕やばいかもしれない…!(>_<)」 正幸はしばらく中にあいつがいるかもしれない開かれた暖炉の扉をしばらく固まったように見つめていた。

不法侵入!12「閉店セール!?」

しばらく歩いてバイトの店に近づいた時すでに外でモップの掃除をしている店長の川田さんの姿が…!

そして正幸が自転車を押しながら近づくと笑顔で先にあいさつをしてきた汗まみれの店長から衝撃な出来事が!

川田「おはよ〜!こっちの方すごかったみたいだね!だいぶ電車おくれて私もさっき来た所なんだけど、何人かの近所のお客さんが店を開けるのを待っててね!菓子パンとかをまとめ買いしていったから!10分もしないうちに完売だわ!」

正幸「店長すごい汗!って…!閉店って!Σ(゚Д゚)」

正幸はガラス戸に貼られた貼り紙にくぎづけになる。

川田「雷が近くに落ちたみたいで今だに停電でクーラーがつかんのだわ!ほら、店の中まで少し水が入り込んでたからだいぶモップできれいになったけど中は蒸し暑いし、じっとしとれん!飲むもんはみんな生ぬるいし!(笑)」

正幸「やっぱりこの辺も被害があったんですね!坂の途中みたいな場所だからもろ雨の通り道になったんじゃないですか!」

川田「店も古いしね!市からも前から言われていたんだが、もう、ここもついでにたたんでしまおうかと思ってね!岡部くんには申し訳ないと思うけど、今回みたいな事は初めてで、天井に雨漏りもしちゃったし!衛生に悪い!お向かいにある花屋も閉めるみたいだよ!あっちもだいぶ水がつかったみたいだ!」

正幸、急な出来事で一気に力がぬけてしまい、店の前から動けなかった。

川田「何かだいぶだるそうな顔しとるけど、熱中症と違うか!(◎_◎;)」

正幸「いや、いろいろあってご飯を全然食べてなくて!(-_-)」

川田「まあ、初めての豪雨みたいな雨で怖いおもいしたからな!('ω')」

正幸(それだけじゃないんですけど…!(-_-))と正幸は何故かそれ以上はしゃべらなかった。

川田「なんやったらおにぎりならあるぞ、流石に停電で冷えとらん、おにぎり客に売れんかったで!まだ傷んどらんと思うで!持っていきなさい!(笑)」

正幸「ありがとうございます!その前に店長も身体の動きめっちゃだるそうですけど…!」

川田「これはただの筋肉痛だ!休みに家内と温泉に行ったとき風呂上がりに卓球を久々にやったらな!運動不足やったのもあるけど、もう59になるで、かなりがたがきとるであかんわ!(;´д`)」

正幸「店長はまだまだ若いですよ!(*^_^*)」

正幸はようやく今日はじめての安堵の笑みをもらした。

不法侵入!11「生蒸し暑い朝!」

なんとか理性は無事に保てたのかわからないが、異臭の充満する家の中で2日間を無事とうげを超える事が出来た正幸はすっかり夏ばれに晴れた3日目の朝、早足で着がえてリュック1つに玄関の土間にある自転車を引き出し死に顔を見せるように出ていった。なんかもう、玄関に鍵をかう気力さえなかった!

新鮮な空気といっていいか自信がないが、既にお日様の日差しは早朝とは思えないほど蒸し暑かった。

砂利道のいたる所に大きな水たまりが出来ていたが、正幸はお構いなしにその上を白い靴でびしゃびしゃと気にせず、踏んでいった。

いつものように急な坂を自転車を押して下っていると、途中の一軒家の前に近所のおばさんらしき二人の会話が耳に届いてきた。

おばさんA「ほんと、久しぶりだったね!こんな雨!家が流されるかと思ったわ!」

おばさんB「滝みたいだったもんね!あたし怖くて全然寝付けなかったもん!主人は呑気にテレビみてたけど…!あたしはだめ!もう、パニックで三途の川見えはじめてたもん!」

おばさんA「それは大げさでしょあんた!(笑)」

おばさんB「それになんかこの辺、警報も出とったらしいけど夜中だったからちっとも分からなかった!あんな雷の雨の中、出てったらそれこそ危ないわ!昨日もしつこかったしね!スーパー買い物しといた後でよかったわ!」

おばさんA「ほんと…!でもうちらは坂の上だからまだ、いいほうでしょ!被害もほとんどなかったし!駅の方なんかすごい水浸しになったみたいよ!電車いくつか遅れたみたいだし!家の中まで水浸しになって公民館に避難した人多いみたい…!」

おばさんB「それ、えらいことじゃないの…!?」

正幸はうつろな目で二人のそんな会話を横目で流し聞きしながら早足で通り過ぎる。まる二日間ほとんど水(トイレのタンクの…!)だけでご飯を口に入れていなくしかも寝不足でふらふらで早くバイト先のコンビニに行きたかった。

不法侵入!10「あきらめと孤立!」

それからも、まる一日ラジオから流れる避難指示がおさまらず何回も激しい、落雷や雨音が家から出られない正幸の体力と精神を振り回していた。台所のスペースは白髪の老人がいるから近寄りがたく正幸は最終的に階段下の玄関側にあるトイレのタンクに流れる水に手をつける羽目になった。 連絡も取れず外に出る事も出来なく逃げることもできずに、ほぼ孤立させられ、あげくに不審者と家に監禁状態だ! やがて、恐怖を感じながら表情はしだいとあきらめにしたような虚ろな瞳に変わっていく正幸。 緊張からじっとりと身体にはりつく湿度と汗にまみれて雷がおさまっても、しつこく激しいどしゃ降りの雨音が続くなか、ご飯も食べれず一日トイレにふらふらと行き来して水を飲んでいると正幸はやばさを感じながら、いつの間にか鼻が麻痺してしまったようにあれだけの強烈に感じたはずの異臭が気にならなくなっていった。

不法侵入!9「しつこいのどの渇き!」

突然の激しい雨と雷の音で2階の部屋で無力にもおろおろする事しか出来なくなってしたまった、正幸。1階に侵入している白髪のホームレスと間近に鳴り響く雷に恐怖したまま結局一睡も出来ず朝を迎えた。だが、朝になっても強い雨だけは中々上がらず、途方にくれていると、正幸はリュックの中にずっと携帯していたラジオを思い出した。兄とよくサイクリングに出かけてたころ、その時はまだ正幸はスマホを買って貰ってなくて、何かのときの為にいつも所持いろと兄が両親と相談して常に携帯するよう持たせてくれていたのだ。 この家に越してきてから、通帳も印鑑も貴重品はいつもバイトに行く時に持ち歩いてるリュックに全部入れている。 手を入れて探ってみると、奥の方に四角い乾電池とセットになっていたラジオの箱に触れた。ほとんど使って来なかったけど、こんなふうに役に立つ時がくるなんて…!改めて晃博兄に感謝した。 電池を入れてスイッチを入れた。幸い、最初は雨で電波が悪いのかザアザアとノイズが走って聞き取りにくかったが、アンテナを立て合わせて調整してると、多少ノイズは残るが何とか、天気を話してる局につながった。 すると、アナウンサーがくり返し何度も読み上げている地域の中に正幸が住んでいる町名も出てきた。だいぶ大雨のため避難指示が出ていたとか!さすがにこの雨じゃ今から外に出れないし、まずスマホが使えなくて連絡も取れない!だめおしに今日、バイトが休みだしね!店長は電車通勤で家はだいぶ離れている。昨日、奥さんと二人で温泉に行くとか言っていたな!子供がいないってきいてたけどいつまでもおしどり夫婦といった感じでいいよね! 今の僕のこの状況恨むわけじゃないけどね…!(-_-) この辺の人も避難しているのかな!?昨夜から緊張続きで、だいぶ非常事態という、感覚が鈍ってきた正幸だったが、雨が入らないよう窓を半分以上閉め切っていたので高い湿度のせいかのどの渇きだけの感覚は生々しく感じていた。でも1階に行く勇気はもうない!はずだったが、さすがにのどの渇きと尿意に限界を感じてしまい、最終的には、ふらふらな意識の中まだ日の差し込まない暗い廊下の階段を降りて行った。 おそるおそる台所を覗くとそこにはもう誰もいないようだった。正幸は先に階段下にある玄関の横のトイレに入ろうとしたが、落ち着きがなく先に水を飲んでからにしようと忍び足で小走りに台所に走って行くと、開けてあった、小窓から雨が入り込んでいた、じっとりした湿度は2階よりも酷く、さらに異臭もきつくなっていた。正幸は疲れた顔にいつの間にか、いかりをみせていた。 正幸「もう、絶対に大家さんに文句いってやる!こんな欠陥だらけな家、いわく付きの方がまだましだよ!<(`^´)>」 が…正幸が心で悪態をつき眉間にしわを寄せたとき再びやんでいた雷のゴロゴロが響き手前の暖炉の中に気配を感じた! 何気に目をやるとそこにはあの白髪の男が全裸で暗闇に座りこんでいた。居眠りしていたようだが時より、「…すぞ!」と不気味につぶやいていて、正幸は一瞬で怒りものどの渇きもぶっとんで「ひゃあ〜!Σ(゚Д゚)」と情けない声をあげ逃げ帰っていった。