思春期お絵描きブログ

主に思春期の心情風景をテーマにしたイラストを描いています。辛気臭いものが多いですが、どうか、よろしくお願いいたします。<(_ _)>

不法侵入!1「違和感!」

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通信大学を卒業した青年、正幸(まさあき)は、特にやりたいことが見つからず就職先も決まらず卒業してしまったため2年ぐらいだらだらと25まで実家で過ごしていて、しびれをきらした両親に強引に自立させる感じに追い出されてしまう。近所に恥ずかしいからと少し離れた地域でコンビニバイトを始めた正幸だが、新しく借りて住み始めた古い長屋のアパートだけど家に帰るといつも誰かいたような気配を感じる!

刺のある華!4「お酒のにおい!」

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言いたい放題言われながらも、なんとかひかるはフライパンで肉やもやしを炒めおわると、流しにある適当な皿に無造作に盛り付けた!

正義「ちゃちゃっとやれ!せっかくのもんが冷めるだろ〜!(# ゚Д゚)」

正義の嫌味はつづく!
そしてさり気なくそのままひかるから皿を奪い取るように持っていき、プシュッとビール缶を開け奥のテレビのある部屋に腰掛けた!

正義「バカ!だし入れ過ぎだわおまえ!考えて作れ!」

文句を言いながら、ビールで流し込むように箸で口に運ぶ正義!味付けがこく、ビールの缶が次々と開けられお腹が一杯になったのか!「後はおまえが食ってけ!血圧上がるはこんなもん!」と食べさしの皿を流しでみていたひかるに向けドンとテーブルの上に置いた!
しぶしぶ皿を取りにいったひかるだがお腹がかなり減っていたため文句も言わずもくもくと食べだした!

ひかる「もやしばっかり!」
皿には豚肉はほとんどなかった。
くつろぐように、正義がテレビをつけるとちょうどいじめによって生命を絶った小学生の子供のニュースが画面に飛び込んできた!
ニュース「今日・・小学校に通う男子生徒(9)が自宅マンションの屋上から飛び降りて亡くなりました。男子生徒は学校で複数のクラスメートからいじめを受けていたらしく…!」

正義「ったく、あほなニュースばっかりやっとるな〜!最近のガキは平和ぼけしとるで、脳みそマヒしとるとちゃうか!」
すでに酔っ払いニュースに向かい見下すような態度を取る正義!

正義「親が甘やかして育てとるで…!メソメソしたガキなんか、しごき倒したらなあかんわ!ハハハ…!社会で生きてけんぞ!調教したれ〜!」

酒癖が悪く大声で喚き散らしている正義を背後に、立ったまま冷めた炒めものを食べているひかるが「僕と同い年だ!」と独り言をつぶやき、さらに、「この人と居たくないな!」とため息をもらすとテーブルの上の空になって潰されていたビール缶がカランと音を立てて下に落ちた!

その音に反応したように正義も真っ赤になった顔をこちらに振り向けて運悪くひかると目があってしまった!

狂い咲き!6「草のにおい!」

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心地よい風が麻斗を包み込んでくれてしばらく浸っていたが、やがて決心したように腰を上げて川原に戻る事にした。再び木々を抜け草の堤防既に来るとやはりうんざりするくらいのゆだるくらいの日差しが待っていた!既に川辺では釣り糸をたらしたさっきの学生たちが座り込んでいた。麻斗がばけつを投げ出してきた場所とほぼ間近だったが幸いにも草に隠れて見つかってないみたいだ!

「ううう、僕のお気に入りの場所があ〜!(-_-;)」

また、いちゃもんつけられるのも嫌だし、麻斗はちょっとはなれた位置から草木をかきわけると目立たないように会話をしてる学生たちを気にしながら忍者みたいに、浅い川を渡った。けれど、渡り終わってほっとため息をついた時、「パパパパン!」と何か弾けるような激しい音が耳を襲った。

びっくりして心臓をバクバクさせながら草の間にすわりこんでしまうと、あの学生たちがふざけながら何かやってるのがわかった!爆竹か!麻斗が彼らに目を向けると、ひとりが手に持った爆竹に火をつけてふざけて地面に投げていた。最初からいろいろいちゃもんつけてきた学生のようだった。何度も火をつけ他の仲間に向けて転がしたりしていた。「まじこえ〜!」「健司、やめろって!」ふざけて遊んでいる、やつらはどう見ても釣りを楽しんでいるようにはみえなくて、麻斗にはただ迷惑でしか無かった!たぶん、つりが退屈で始めたのかもしれないけどこの場所で騒いてほしくないな!麻斗は心の中で不満を言いながら早くバケツとたもを持って帰ろうと草を踏むたびに飛び跳ねてくるバッタか何かの虫を踏んだりしないよういそいそ迫りついた!ちょうどこちらの様子はやつらが釣りしてる川と枝分かれして背の高い草木が隠してくれて、みえない!

バケツを見つけほっとする麻斗。けど爆竹の音がひびいてくる間、なんとなく向こうに渡り戻りたくないなと眉間にしわをよせ考えていると、バケツの中に1匹のザリガニ以外、ほとんど魚がいなくなっているのに気づく!周りをきょろきょろ見渡すと炎天下に干からびたとおもわれる小魚たちが散乱していた。

「ええ〜?なんでこんな…!Σ(゚Д゚)」

それを見て後から、麻斗は溢れるくらい水をいれてしまっていたバケツと何も考えずにほうりこんでしまったザリガニに後悔した。そりゃ魚もせまいバケツの中でびっくりするわけだよ!
(-_-;)

麻斗「なんて日だよ!ほんとに!ヽ(`Д´)ノ」

さっき神社で濡らしてしまっていた服もズボンもすっかり太陽や草の熱気で乾いたけど、再びじっとりと吹き出できた汗でしけってしまった。それ以上に、わずらわしく鼻につく草のにおいが余計に麻斗の心をイラつかせた!

こがらしの季節!2「やかましいサル!」

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夕風の余韻に浸って自分の住んでいる8棟に入って細い廊下を歩いていたら、正面の方の入り口の方からも誰か入ってきて、学は眉をひそめた。人見知りもあったし出来れば棟内でも人と触れあうのは好きじゃなかった。でも入ってきた子柄のやつは、学がもっとも会いたくない、中1の太一だった。太一の両親は離婚して清掃業の父との父子家庭で、母と妹は別の場所で暮らしてるらしい。正確には両親の不仲が原因でお互い別居状態みたいなんだけど、その間に酔った勢いの父親が同じ清掃業で働いていた誰かと浮気したのがバレてけんかが耐えず、結局別れてしまったらしい。(-_-)
向かって行くと、太一も学の姿にきづいたらしい。

太一「おーっす!」と大きく廊下にひびく声。

学は少し嫌そうにかくんとロボットみたいに会釈を返した!
太一、いつもみたいに、からかいじみた表情で学を見てきた。面倒くさくなったから、階段で行こうと思ったが、逃げるように思われるのも嫌だったし、仕方なくエレベーターを待つ太一の横に心でため息をもらしながら並んだ!

太一「お前、学校さぼっていつも何しとんの?母ちゃん泣いとんじゃねえ!」

学「うるさいよ!お前に関係ないし!塾とかいろいろ忙しいんだわ!」

実際、塾も中1から通っていたのだがあまり成績も伸びず、別に、マンツーマンでしごいてくれる塾をさがすかと、父の言葉を最後に、やめてしまって今は行っていなかったが、小さなプライドが邪魔してか、ついみえをはってしまう。

ジャージ姿の太一が首から腰にかけている大きなカバンからでかいすいとうがのぞいている。夕刊配達の帰りみたいだった。

こがらしの季節!1「団地かぜ!」

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茜色に染まる時刻!背の高い沢山の団地が並ぶ、すき間から優しい光りと共に吹いてくる心地よい風が好きだ!空気にのって何処かの部屋でご飯を炊く温かい香りが1日に降り積もった疲れを癒やしてくれる。そのまま疲れを風にのせて、何処か遠くの空のかなたまで運んで、くちどけのよいあたたかいオレンジドロップのように心地よく溶けていったらいいのに!

人付き合いの苦手な学(まなぶ、15)は今年中学3年の受験生だ!でも、受験と言っても別に勉強に専念してる様子もなく、もう10月に入るのに、気持ちも落ち着かずぶらぶしている感じだ。口下手で仲の良い友達がいる訳ではなく、夏休みが終わったあたりから急に物思いにふけるように、学校に行っても上の空のように休みがちになった。うつ気味と言った方がいいのだろうか!そば屋の飲食店に勤める父と、口うるさい専業主婦の母との3人家族で、特に深く揉め事もなく普通に団地で生活してきたが、最近母方の実家の祖母が転んで腰を痛めてしまったため、母がしばらく付き添い介護とゆう形でしばらく実家に帰ってしまっていた。
その事もあってか、あまり叱る人がいないせいか、夏の暑さが抜け出してきたのと同時にだらけぐせが目立つ生活になって行った。

 

 

 

 

刺のある華!3「うさばらし!」

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義理父の善治に仕事から帰ってくるなり晩飯をつくるよう強要された、ひかる!だか冷蔵庫にはほとんど食べる物か見当たらなく、善治がシャワーを浴びてるすきにと目に入った、台所の机に置いてあった財布で急いて近くに買い物に行こうかと考えた!
けど5分もたたないうちに善治は風呂場から出てきてしまった。

下半身をタオルでまいたまま台所にやってきた善治。相変わらず不機嫌な口調で!

善治「やっぱ梅雨だからって水だと冷てえわ!ガスとかケチるもんじゃねえな!」

独り言のようにつぶやきながら、びくりと立ち尽くしている、ひかると目が合う!また再び火がついたように怒りだして!

善治「まだなんも作っとらんのか!早くやれのろま!(# ゚Д゚)」

ひかるは慌ててまた空っぽに近い冷蔵庫の中をわざと見渡すようにのぞき見ると、後ろから善治が舌打ちするようにがなってきて!

善治「野菜のフードに豚肉ともやしが入っとるだろ!さっさと炒めろ!」

ひかるはまるで操り人形のように善治に言われるまま野菜のフードのケースを開けて入っていた、それらを取り出した!
フライパンに火をつけオリーブオイルを少したらすと少ししてパキュパキュと油が弾く音が聞こえてきた。
表面上感情を見せないひかるに善治は後ろで着替えながらブツブツと好き放題ののしってくる!

善治「この小汚いサルが!ガキのくせにいっちょ前に疲れた顔してんじゃねえわ!(# ゚Д゚)掃除ひとつ満足に出来ねえくせによお!」

ひかる「(僕は家政婦じゃないし小学生にまともな家事押し付けられても困るし!疲れた顔って、あんたが変な事言って毎日振り回すから身体が休まらないんだよ!てか、文句言うなら自分で作れって!こっちはほとんど何も食べてなくてだるいのにさあ!わかってんのか〜!)」

ひかるは善治に見えないように眉間にシワをよせながら心の中で必死に不満を言い返している!
そして口で言い返せない苛立ちから善治の声をかき消そうと乱暴に換気扇を引き、豚肉に続いてもやしを勢いよくジャアーっとフライパンにぶちまけた!

善治も反応しないひかるにさらに怒りがましたのか!ひかるが何かミスをするたびかんしょうするして!

善治「こぼすなあほ!落ちたの全部お前が拾って食えよ!(# ゚Д゚)」

ひかるはわざとらしく慣れない手付きで反抗するようにフライパンを軽く上下に振り回した!派手にもやしが飛び散って善治の罵声にさらにボリュームが上がってしまった!

刺のある華!2「苛立ちの日々!」

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ひかる(義理の父の善治(よしはる)は機械の部品等の梱包仕事の工場勤めをしています。今年で49才。それまで疲れた顔なんてほとんど見た事がなかった父だったけど、お母さんと離婚したせいか何かとビールやお酒をやたらと買うようになり、いつも不満げに帰ってくる!だけど疲れの原因はたぶん僕にあるんじゃないかと最近なんとなくわかってきました!二人で暮らすようになって半年近くたちましたが、相変わらずな日々が続いています。)
ひかるが、押し入れの中でしばらくうつらうつらしていたら、いつもの善治の罵声で目が覚めた!

善治、押し入れのドアを足で思いっきりガンとけった。

善治「何をしとるんだおまえは、飯の用意もせんと!いつも、俺が帰ってくる前につくっとけっと言っとるだろ!(# ゚Д゚)」

ひかる「ご、ごめんなさい・・・!」

心臓がバクバクととっさに謝ることしかできないひかる。

善治「この出来損ないが!(# ゚Д゚)シャワーだけ浴びてくるで、なんか作っとけよ!!」

善治がそのままタオルを持つとぶつぶつとお風呂場の方に向かっていった。額にしわをよせて、敵意丸出しのような眼鏡から透ける冷たい視線はひかるにはすごく鋭くみえた!

ひかるはふいの善治の勢いに、震えながらもすぐに冷静を取り戻してお勝手にいって冷蔵庫を開けた。

ひかる「って、何を作ればいいんだ!なんにもないよ!」

台所の机の上には、白いビニール袋に大量に買い込んだビール缶がのぞいていた!その横に黒い皮財布も置いてあった。

ひかるは、少しの間ちらちらと震えるようにお風呂場のシャワーの音を聞きながら、ゆっくりとそれに手を伸ばした!