それでも太陽は赤く染まる!第24回「暗闇の戦士たち!」

f:id:a919255217:20180930115722j:plain図書館で時間をつぶしそれでもまだ、帰る決心がつかなくて少し離れた大須の熱帯魚屋まで自転車で足を運んだひとし。そこで欲しかった安価のツメガエルを見つけ気分が一気に上昇したのも虚しく、買ってから、ポケットにあるべきはずの保険証が見当たらないのにきずいて頭は一気に真っ白に・・・。

第24回「暗闇の戦士たち!」

ひとし、店を出て、手に冷や汗をにぎり、冷めていく思考の中で必死に朝からの行動をたぐりよせる。

ひとし
「(確か診察のカードと一緒に歯医者で受け取ったのは何となく覚えてるけど、だけど今までポケットには財布以外の感触がずっとなかったような・・・。(>_<)あああ、そのあと自転車で梶谷にぶつかって倒れた時、別に道路にはカバン以外飛ばなかったきがするし、う~ん。それで梶谷と口論になって、すきをみて必死で逃げてきて・・・。)」

ひとし、自転車にまたがりあたりの街灯がともり始めるのを見ながら、さらに記憶を呼び覚ます。

ひとし
「(あっ、その前に、先輩に胸倉思いっきりつかまれて携帯出せとかってポケットに強引に突っ込んできたよな。猛獣みたいな顔して!でもそれは後ろぽけっとだったし、前のポケットが狙われる前に逃げてきたから・・・。まさか振動で落ちて・・・。Σ( ̄ロ ̄lll)!そのあとは無我夢中で走ってきたから覚えてないや・・・。けどやっぱ・・・!あそこらへんのどこかで落としたとしか考えられない。(>_<)」

ひとしは、絶望的な青い顔をしながら、自転車にまたがったまま前に歩くように少し進むと、さらに、追い打ちをかけるような違和感が・・・。

ひとし
「自転車、空気ぬけてるし~!じゃなくてパンクか?\(◎Д◎)/!てか今パンクする!普通こんな時に!そういえば、図書館から乗ってた時変な、違和感あった気もするけど・・・。こんな所でかんべんしてよ~。\(☆Д☆)/!」

心で半泣き状態でさけびながらひとしは、頭回らないながらも、自転車を降りてひきはじめ、もと来た道をもどろうと走り出す。

ちょっと走るとちょうど自転車屋さんらしきバイクとならんだお店が目に入り、外に空気入れを見つけた。ひとしはガラスに貼ってある紙をチラ見すると、パンク料金1,400円と書かれていて・・・。「だめだ、高いや~、家の近所だと800円のとこあるし!」とあきらめたように、自転車を止め空気入れを持ちいそいそと入れ始める。

ひとし
「(前に確か、パンクした時、空気いれたらしばらく乗れた時あったんだよね。ひょっとしたらただ空気がちょっとぬけただけかもしれないし、って、そんな事ないとは思うけど。どうか、家につくまで持ってくれないかな~。)」

辺りが本格的に暗くなりはじめ大須のまわりにネオンが光りはじめ、ますます焦りを感じるひとし。前のタイヤにパンパンに弾けるくらい入れると。すばやく空気入れがもとにもどし、またがり突っ走る。

ひとし
「絶対、ないかもだけど、やっぱりあの場所行かなきゃだめかな~。あっても誰かとっくに拾っちゃってるだろうし、相手が梶谷だけはさけたいなほんとう。もしあの人が拾ってたら、僕の住所知られちゃうし恐怖しかないよ。なんせ逃げてきたんだから!あんとき逃げなかったらぼく絶対死んでたよね!人間じゃないよあんなの!」

大通りの信号が赤信号でひとしは空気が抜けちゃうんじゃとそわそわしながら、左右に行きかう自動車の音を聞く。

ひとし
「そういえば、この辺栄だけど、さやかに会わないね。まあもう夕暮れだしとっくにバレエの発表会は終わってるかな!そうだよ!もとはと言えばさやかがあんな奴(梶谷)といちゃちゃしてるからいけないんだよ。八方美人だよね本当。それと朝の自転車事故とは別だけど、まったく関係ないわけじゃないし!その事で習字でもさんざん美咲にからかわれてさ、挙句に先生にまで一緒にしかられて・・・。」
ひとし、青信号を渡り始め、表情がさらに険しくなり無い頭で考える!

ひとし
「うん?(-_-)だけど、となると・・。違うか!今日のいやな事って全部梶谷にかかってくるじゃん!自転車のパンクにしても梶谷にぶつかったのが原因だし!まあ、焦ってたのは歯医者の神山の長話しのせいだけど・・・。それいったらきりないか!ああ、なんで僕のまわりにはろくな人間がいないんだろ!なんか、僕って怒ってる時が一番頭の回転が良い気がする。自慢じゃないけど。そういえば、ピンチの時に人は潜在能力が出やすいってなんかのラジオできいたな!それって、アニメだけの話しかと思ったけどまんざらじゃないのかな!わあ~っ。Σ(゚Д゚)」

無意識に思考が周っていたせいか、向かう先々の信号に反応がにぶくなっていた。赤信号で思わずわたりそうになったが、急ブレーキでなんとかとどまった。
ひとし、手に再び汗をにじませながら、心臓の鼓動がはやくなって・・・。

ひとし
「やばい、やばい!考え過ぎると僕って周りがみえなくなっちゃうのかな!Σ(゚д゚lll)確かに朝もこんな感じだったからぶつかったような気がする!スマホ運転の先輩の不注意もあるけど・・・。ライトつけよ!」
一度、自分の言動を改めたのか興奮が覚めたひとし、いつのまにか、もう蒼い町の交差点近くまできていたが、暗くなってきてよく判断が出来なかったのだ。

ライトをスイッチを入れて、信号待ちをしていると、騒がしい声が聞こえてきて向こう側に自分と同じらしき学生の姿がぞろぞろと歩いてきて信号待ちをしてるのが見える。自転車に乗ってる人も数人いてスポーツバッグを肩にかけたりしてるから梶谷先輩と同じ部の連中かもしれない!似たようなユニホーム着てるし!精神的にひとしはちょっとビクンとなって遠回りになるがもうひとつ向こうの信号から渡ることにした。

暗いからお互いの顔は見えないと思ったが、渡るすれ違いで観えたらやはり恐怖しかなかったのだ。

自分が渡りだすと、向こうの連中もにぎやかにしゃべって渡るのがみえる。ひとしは、ちょっと浮かない顔をして、本当なら、自分と同じ年頃の人たちは、あんな風に、みんなと一緒につるんで笑ったりして学生生活を送ったりしてるんだなと。まともじゃない自分がちっぽけな存在に感じてしまい悲しくなった。

そんな気持ちをよそに押しいれて、朝逃げ走ってきた細い通りを裏から周って、「どこだ、どこだ、保険証!」とすっかり気力を無くして、亡霊のように呟いて、梶谷と、もめ事があった場所までゆっくりとペダルを走らせてきた。

ひとし、ため息をもらし、でも誰もいないか用心して周りをきょろきょろしながら道路をしじゅう見渡して・・・。

ひとし
「やっぱり、ないよね~。(-_-)こんな所に落ちてたら絶対に目立つから、だれかひろうだろうな・・・。というかやっぱりタイヤの空気がまた抜けてきたし!間違いなくパンクだなこりゃ!ああ、なんて人生だ!生きてたって楽しい事が全然ない!はあ~。」

ひとしはついに自暴自棄になってあきらめたように、最後にすぐ裏にみえる蒼公園にトイレをすませて帰ろうとした。身体がけっこう冷え切っていたのだ。

が、ついくせで公園の道に曲がってからも辺りをきょろきょろと梶谷らしき人物が混じった不良集団が近くにいないかみてしまう。時計も木の葉に隠れて見えにくくて早くタイヤの空気が全部抜けてしまう前に帰りたいと考えてたとき何やら反対のだいぶ向こうの道からいきなり犬のはげしく吠える声が・・・。小さな黒い影の子供が2人、犬をひもで引き連れてこっちの道に向かってくる!

憂鬱に考え事をしていたひとしはさすがに、うっとおしくなってやっぱりさっさと帰ろうと焦って向きをかえようとした、だが、いた場所がちょうど街灯がなく暗くてみえにくかったために、前のタイヤが道路わきの溝にあたってはさまってしまいバランスがくずれ自転車を倒してしまう。

ガシャンと響くのと同時に振動で前かごから手提げかばんとカエルの入ったビニールが飛び散り動揺したひとしは急いで拾い直したが、すでに遅くビニールがやぶれて道路に水がにじみ出てカエルまで飛び出してしまった。

ひとしがパニクッてビニールに手でつかんで戻そうとしたが、暗い道路の上でぴんこぴんこと勢いよく跳ねて3匹とも別方向に飛んで行く・・・。
その光景に犬もさらに興奮したのか、飼い主の子供らしき手からひもが離れ大きな声で吠えながらひとしに向かって走ってきた。

ひとし
「ふぁああああ~~~~!\(☆Д☆)/!」

ひとしの声が甲高く悲鳴に近い声をあげるのもつかの間、猛スピードで走ってきた白い犬がいきなりぬれた地面ではねてる一匹のカエルをすばやく、するどいきばでくわえるようにかみついた!そして低くうなるように首を数回激しくふるとぶちっと残酷な音と共にカエルの下半身が地面にちぎれ落ちた!

暗くてよく見えなかったのが幸いだが、ひとしには、グロすぎてとてもまともに見られない光景だった。Σ( ̄ロ ̄lll)

ひとしが情けない顔でその様子を言葉を失ったように眺めていると、向こうから犬の飼い主らしき小さな子供が、「ごめんなさ~い。大丈夫でっか~!」とものすごく張りのある高い声で走ってきた。

そして、興奮した白い犬を「ぺス!ふせ!」と両手て抱きしめるようになでまわして、犬はするどい歯をひとしを、にらんでみせながらも少しおとなしくなった。

公園のさくに情けなくもたれかかっているかっこうでひとしは、走ってきたこの幼い声の子供が昨日夕暮れ学校でみた用務員と夜一緒にいたあの少年である事がわかった。しかも追いついてきたもう一人の子供は今日昼間書道教室に見学にきていた無表情の眼鏡の少年だった。

ひとし、ゆっくりとさくにもたれながら起き上がって!

ひとし
「べ、別に僕は大丈夫ですけど!カエルが・・・。」

初めて口を聞くせいか年下の少年にも緊張してしまう・・・。

昨日、夜学校で見たときより、少年の髪が野球部のように短くさっぱりしていた。

少年
「カエルっすか?」

少年はちょっとおかしな顔をしてみせたが、少年が犬ののどあたりをさすってるすぐ下にいる残骸をみて言いたい事がわかったのか、深々と頭をさげて・・・。

少年
「どうも、すいませんしたあ~!」
まるで、近くにいると応援団のような大きな声!声変わりをしてない幼い声色だが、小柄なのに、すごい甲高い迫力だった。おまけに辺りは、暗くて静かだからすごくよく響く!やはり昨日、夜学校で用務員といた時の威勢の良い声の主に間違いないとひとしは思った。

ひとし、そんな張りのある大声で深く頭をさげられなんて返したらよいのかわからなくなり・・・。

ひとし
「い、いや~、もともとエサようで売ってたやつだから!死んじゃったものはしょうがないし!それと、カエルがあとそっちとそっちに二匹いるんだけど捕まえられなくて・・・。」

ひとしが地面でもぞもぞしてるカエルたちを指さすと、少年は・・・。

少年
「あれっすか?僕が捕まえますか!」

ひとしの返事もまたず少年はまたう~っとうなって暴れて飛びつきそうな犬を隣りの眼鏡の少年に・・・。

少年
「陸(りく)ぺスちょっとおさえてて、離すなよ!( ̄○ ̄)」と犬を預けると両手で一生懸命おうように逃げるカエルたちを必死で飛びつくように捕まえようとしてくれた。

眼鏡の少年はただ、良まれた通り白い犬に覆いかぶさるようにかかえながらその様子を無表情で眺めていた。

ひとしも、無心でその少年の姿をみてると、やがて・・。

少年
「これ、どうしまっか!(・○・)

少し荒い息づかいでよごれた両手でつかむようにひとしの前に差し出してくれた二匹の砂だらけの見分けのつかなくなったカエルだが・・・。少年の青い薄いジャンパーの両ひじの辺りもぬれたように汚れていた。

それにしても、喋る度に少年の発するひと言ひと言が迫力のあるでかい声のせいか、ひとしはなんだか、心臓の鼓動が弾けるように興奮していた。威勢のよさは昼間、しめられた梶谷のがなり声よりも勝ってると思う!

ひとし
「ああ、ありがとね・・・。でも袋がやぶれちゃって今入れるものが・・・。」

少年、ためらいなく片手でカエルをにぎると地面にあったたスコップの入ってた袋をさしだして・・・。

少年
「じゃあ、これ使って。ぺス今日、うんちしなかったから綺麗っすよ、おいら達すぐ家そこっすから・・・。どうぞっす!( ̄▽ ̄)」

くもりのないきれいな張りのある声だが、ちょっとさっきより親しげというか声色がほぐれていた・・・。

ひとし
「ええ!でも・・・。それは!(-_-;)」
(ひとし、綺麗って、ひょっとしていつも、洗って使ってるとかじゃないよね!絶対!)」

ひとしが言う前にもう少年がふくろにカエルを入れて差し出してきた。

ひとし
「あ、ありがとうね!(#^ω^)」
(ひとし、聞きたいけど、こんなけ親切に言われるとなんか失礼になるよね。このさい、仕方ないか!(>_<))
だが、街灯のない暗い場所なのに少年の不思議と穏やかなオーラというかひとしは初対面なのになぜか自然と

言葉がストレートに出せる安心感を感じた。

少年は汚れた小さな両手をパンパンはたきながら子供っぽくズボンにねだくっている。

ひとし
「(なんか、変に安心したら、またトイレに行きたくなってきたな・・・。)」

倒れた自転車を起こすとひとしは、最後にもう一度お礼を言おうとした時、完全に前のタイヤの空気がぬけてぺしゃんこになっているのにきづいた。

これ以上この子たちに変に迷惑をかけたくないと思ったひとしはすぐにその場から去ろうとさどるにまたがろうとした時、「なんか、空気抜けてないっすか!」

ちょうど前のタイヤで目にとまりやすかったせいか、少年の方もすぐに異変に気付いた。

ひとし
「あ、いや、パンクだから!大丈夫!どこかで空気入れれば・・・。(お願いだからトイレ行かせてくれ~。(;^ω^)」

少年
「僕のお父さん、自転車も仕事でなおしてるから、今から来やすか!パンクならすぐなおせるっすよ!」
ちょっと、得意顔の少年、そんなにイケメンじゃないけど、ひとしにはすごく、笑顔がまぶしくうつった。その表情にうっかり飲み込まれそうになったが・・・。

ひとし
「そ、そうなの!でも、今日そんなにお金ないし!そ、それより今、僕トイレ・・・。」
そんな、遠慮がちなひとしの言葉をさえぎるように少年はなんだかとびっきりの笑顔で、すでにフレンドリーになったような熱い口調で・・・。

少年
「いつでもいいっすよ、そんなの!(^O^)早くしないと店しまっちゃうから!って!え~!もう6時過ぎてるし。こっち来て!陸(りく)、ぺス頼む!」

少年はそう言って袖をまくり腕時計に目をやるとひとしから返事も待たず自転車のハンドルを取り街路樹に生い茂る道路側の道をどんどんひいて歩いていく!

あまり気が進まなかったがなぜかまあ、いいやと、この場合、言われるまま素直についていくしかないかなと思ったひとし。でもなぜか、この少年の好意がすごく、嬉しくてもう少し一緒にいたいとも思った。

(ひとし、あっ、またちょっと膀胱が収まってきた(*´ω`)ふ~!)

いつの間にか、犬(ぺス)は興奮も覚めていて、陸(りく)と呼ばれる無口な眼鏡の少年につれられひとしの後ろに続いて歩いてくる!

最初は礼儀正しく威勢の良い少年と思っていたが、ちょっと強引な所もある。けど何となくあたたかいオーラで包んでくれるみたいな包容力のようなエネルギーのひかりを少年からひとしは感じ、保険証や尿意の事もすっかり忘れ、胸が一杯だった。